Complete text -- "雑記1"

02 November

雑記1


 ギターの修理に町田まで出かけた。楽器の修理は複数のところに依頼しているのだが、ここに来るのは5~6年ぶりかと思う。

 拙宅からはほぼ車で一時間。町田と言っても中心部からは程遠く、まあ山の入り口だ。相変わらずの工房で老犬も健在。とても静かに会話を交わし、内容を伝える。彼の作業台の外から見えるのはその先の山に向かうに道のみ。もちろん人どおりもないし、車も通らない。驚くほど静かで、少しだけ動く老犬の佇まいが身近な音だった。

 そのような場所で彼はウクレレやギターを作っている。ここに身を置いて外の曇り空、楽器が出来る時を想像してみたが、それはそれは、なんだか泣けてくる。

 ついこの間、栗コーダーでも共演したが、知久寿焼さんのギターとウクレレも彼の手によるものだ。私のウクレレ教室でも彼の楽器を愛用している方もいる。だが、当たり前だが、奴はここで静かに造っているだけなのだ。

 一時間ほど話をして、丘を下りた。



23:58:00 | skri | | TrackBacks
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