Complete text -- "今日のレコード 3"
23 June
今日のレコード 3
Prince Thony Adex and his Sedico System / MASTER JUJU GUITARIST VOL.2 - JUJU FUNK EXPLOSION (1975)
たまにはサニー・アデ以外のジュジュを聴いてみようと久しぶりに棚から引っ張り出した1枚。これはアメリカ盤でナイジェリア盤は75年に発売されている。尼盤(ナイジェリアもニジェールも漢字表記頭は尼)は Thony Adex & his sedico system / Juju Funk Explosionというタイトルだ。アメリカで発売されるにあたって、冠にプリンスがついたのだろうか。何せ、この人のファーストのタイトルが Sunny Ade Judgement Special。キング・サニー・アデに対抗してのプリンスであろう事は想像に難く無いし、MASTER JUJU GUITARIST というタイトルもアデの対抗馬としての売り出し文句だったに違いない。
A面に6曲、B面に4曲のクレジットがあるが、他のジュジュのアルバム同様にそれぞれの面はノンストップでどこで次の曲に移っているのかはなかなか判別しづらいが、パーカッションだけのパートからギターが切り込んでくるあたりが、次曲の入り口であろう。そしてその瞬間がやはりかっこ良いのだ。
派手なタイトルがついているが、内容は案外朴訥な印象も無くは無い。そしてジュジュとしてはかなり少人数でのアンサンブルだ。ナイジェリア録音の独特のエコーとスモーキーさでワサワサしたジュジュのイメージはそのままだが、耳を澄ますと楽器が案外少ない。エレキギターは基本2本入っているが、二本が同時に鳴る瞬間は然程多く無いし、その比重が割と同等なので、もしかしたら両方共に本人の可能性も否めない。が、ダビングなんて面倒くさい事は多分していないであろうし、VOL.1のジャケットにはもう一人のギタリストも写っている。ベースは無く、他はパーカッション3〜4とコーラス。なのでトーキングドラムの低音が効いているのだが、低音がループするフレーズを奏でるわけではないので、一般的に認識されているFUNKを想像すると肩すかしをくう。(JUJU FUNKと言えば、謳ってはいないが、BOB ALADENIYI and HIS JUJU ROCK STARS / JUJU ROCK SOUNDが傑作!)
パーカッションとコーラスを兼任すれば、あとはギター二丁。都合5〜6人だ。少人数でもジュジュに挑戦してみたい輩には格好の資料だが、もちろん簡単な事ではない。砂漠に人知れずちゃくちゃくと蟻の巣を作っている様なあのテクノ感は、精進することを怠ってはならない、と促されているようで背筋が伸びるのだ。
03:00:52 |
skri |
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