Archive for 05 April 2020

05 April

TRAFFIC

 レコード洗浄は未だ続いているわけだが、漸くT段まできた。これが過ぎれば残りはU,V,W,X,Y,Zとオムニバス。アフリカ、アジア、南米、ヨーロッパのロック・ジャズ以外、邦楽含めた日本とクラシック、と終わりが見えてきたような、いやいやまだ千枚とは言わないが、800枚くらいはありそうだ。

 そして、そのT段。トラフィック。このバンドの音源は90年代の再結成以外はどれも愛聴した。私が持っているのは以下。

 1) Mr.Fantasy(1978年東芝EMIアナログ日本盤、2000年モノラルマスター使用ユニバーサルミュージックの紙ジャケットCD日本盤)
 2) Traffic(CDアメリカ盤)
 3) Last Exit(2001年マスター使用ユニバーサルミュージックの紙ジャケットCD日本盤)
 4) Best of Traffic(1971年キングレコードアナログ日本盤)
 5) John Barleycorn Must Die(1979年東芝EMIアナログ日本盤、1999年マスター使用ユニバーサルミュージックの紙ジャケットCD日本盤)
 6) Welcome to the Canteen(1971年キングレコードアナログ日本盤)
 7) The Low Spark of High-Heeled Boys(1971年アナログアメリカ盤)
 8) Shoot Out at Fantasy Factory(1973年アナログアメリカ盤)
 9) On the Road(1978年東芝EMIアナログ日本盤)
10) When the Eagle Flies(1992年日本フォノグラムCD日本盤)

 ファーストから洗浄しては聴き、色々気になったのでCDも引っ張り出してきて聴き比べてみた。なので、7〜9はまだ洗浄していない。5)が一番好きなアルバムか、と言うか最初に聴いたトラフィックだからである。そのジョン・バレイコーン、79年か80年頃廉価盤1,500円で買ったもので、以来折につけよく聴いたものだ。20数年前か、割と近田春夫さんとご一緒することがままあって、トラフィックの話になったら、「これだろ」と言ってGladを弾き始めたのはよく覚えている。(このあいだのJagatara2020では挨拶くらいしかしなかったのだが)
 それはともかく、今回驚いたのは1st。もう20年近く経つわけだが、CD紙ジャケットシリーズが店頭に並び、既に持っているものまで購入してしまったわけだ。ただ、この1stはアメリカ盤の1st『Heaven is in Your Mind』に入っているシングル曲がボーナストラックに入っているので、これがあればアメリカ盤は要らないかな、と思って購入したのは良く覚えている。ところがこのCDイギリス盤のモノラルを新たにマスタリングをしたマスターを使っている。解説で大鷹俊一さんが「左右上下にグルグルと音が回りながら…」と書いているが、このCDはモノラルだから音は左右に移動しないのだ。この1967年以前のモノラルだと音圧がマジックを感じさせるものは枚挙に暇がないが、この新人バンド、当初からステレオミックスを第一に考えていたのではないか。もしくはジミー・ミラーの思惑か。だから今回かなり久しぶりに1stをアナログで聴いて驚いたのだ。もう一曲目からかなり違う。歌が右に振られていて、エフェクトも効果的で耳に入ってくる。歌の二小節目の3〜4拍目から左に思いっきり振られるなんぞ、もう気分は良い。モノは歌が少し後ろでもごもごと感じる。そして何よりステレオミックスの方がこのサイケデリックな音像の中、ドラムが生々しい。キャパルディの6連が響く。私が持っているステレオのアナログ盤は廉価盤だが、当時の東芝EMI、偶然だったのか何なのか、いい仕事だ。カッティングレベルがちょっと高くて、もう響きがロックなのだ。これはおそらく今ディスクユニオンの中古盤でも1,000円もしないはず、持っていない方は気に留めても良いだろう。ただ今回はステレオアナログとモノラルCDとの比較。おかげで英オリジナルモノラルのアナログも聴いて見たいし、米盤『Heaven is in Your Mind』(これもステレオ、モノラル両方あるらしい)も気になってしまったではないか。
 それから、キングレコードには悪いが、4と6はがっかりだった。まあ、6は元がそんなに良い録音ではないのだが。
 とは言え、明日は7〜9を洗浄してじっくり聴くつもりなので、多分また違うことが気になりそうな予感ではある。


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