Complete text -- "角打ち"

02 October

角打ち


 10/1 宝珠山村までの移動日。
 福岡からは車で1時間半くらいの所で、大分との県境の山村。夕方より少し早い時間に、主催関係者Mさんの運転で宝珠山小劇場に到着。宝珠山村にある昔の中学校木造校舎がそれで、普段は今回主催のTさんの仕事場、資料置き場として機能しているが、その資料の量が尋常ではない。本とSPレコードがその資料の大半だが一週間此処にいても、その全貌はつかめないだろう。なんでもSPはTさんが若い頃、かなり安く手に入れられる時代から集めていたらしい。蓄音機は詳しくはないのだが、銘機といわれるクレデンザで聴くビリー・ホリディはなんとも暖かく、生々しかった。それにしてもTさん、私より20才以上も年上だが、その若い外見にびっくり。


 その後、TさんMさんと我々三人で杷木の樋口酒店へ。酒屋で軽く一杯というので、角打ち(かくうち)か、と思い店に到着するが、此処がまた素晴らしい所。いわゆる東京の角打ちは酒屋の片隅の立ち飲みで肴は乾きものと缶詰めのみという店の事だが(とはいうものの、そういう店も大分見かけなくなった。最近知る限りでは立川にあったし、浅草もまだあるはず)この辺りの角打ちはかなり肴も定番おでんにはじまり結構豊富。しかし酒屋の店先ながらこの居心地の良さはなんとも説明のしようがない。店はかなり古い造りだが手入れが行き届いており、一番奥の小上がりは畳敷、一段下がった手前の小上がりは板の間、そしてその下にテーブルや商品陳列棚、冷蔵庫のある土間、その土間の中央がレジでどうやらその奥が厨房であろう。レジの所には最近のここでのイベントのチラシが貼ってあり、目をこらしてみると「ふちがみとふなと」を発見。ここでやったのか、やるなぁ、あいつら、なんて笑っていると、まだ半月程前の話らしい。それにしてもこの素晴らしい場所でライヴとはうらやましくも思うが、一刻も早く酒が飲みたくなる事は間違い無いわけで、それはそれで苦しいか、飲み続けで演奏するか、だな。軽く一杯のつもりが、ついつい地元の人達とも話がはずむ。肴の焼き明太子や鶏皮柚子胡椒のあえものも美味、御飯や味噌汁までいただき、それでもまだ飲み続けてしまった。帰り際に、女将さんに、またこちらにおこしの機会には是非、と言われたが、機会がなくてもここに飲みに来たい程の店だった。
 流れの音が激しい川のほとりの旅館が今夜の宿。到着後、少々熱めの鉱泉につかり、少し早いがこれを書いて眠ることにする。

01:54:00 | skri | | TrackBacks
Comments

N.MORISHITA wrote:

ふちがみとふなとさんのサイトで、ふちがみさんが福岡の樋口酒店でのライブについて書いておられます。(「今日のFF」のところの「福岡の日々」)

http://www.asahi-net.or.jp/...

このお店の「角打ち」気になります。もしも機会がありましたらここで「ふちがみとふなとと桜井」のライブを開催していただきたいです。そしたら福岡まで観に行きたいです(笑)。
10/14/04 22:52:29
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