Archive for November 2020

07 November

Stratocaster


 ストラトキャスター。一応持っているのだが、私のものではなく、長い間旧友に借りているものだ。近くに住んでいる友なので、いつでも返すことが出来る状況だが、会ったのは昨年末でこのギターはもう10年くらいはうちにある。ライヴではあまり使うことがないが(スーマーとやり始めた頃はいろいろ試していて、このギターの出番もあった)、どのような状況かわからないスタジオセッションでは一応持っていく。ストラトキャスターの音がエレキギター一般的は音という意味ではパーセンテージが高いから、とも言えるし、無難であるというか「その音色じゃない」と言われることはテレキャスターやジャガーに比べればはるかに少ない。

 数日前に久しぶりにアンプから音を出したのだが、センター・ピックアップの具合が悪い。レベルがかなり下がって、位相も悪い。一応音は出ているが、嫌な予感的中。取り外してテスターで測ったところ、抵抗0。コイル断線である。センターのみはあまり使わないし、ハーフトーン(リア+センター、フロント+センター)も好き好んで使わないので、センターは無くても構わないのだが、使っていないテレキャスターのフロント・ピックアップがあったので試しにつけてみたら、これが好み。トーンを絞るとこれまた絶妙でしばらくこれにしてみようと、きちんとマウントすることにした。ところがこれがなかなか難しい。ストラトキャスターのアッセンブリーとテレキャスターのフロントピックアップをよく知る方なら、想像に難くないだろう。とりあえず、写真のようにうまく収まった。

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 弦高は少し低めだったが、その調整もしないままなんとなくスライドバーを使って弾いてみた。えっ。なんて弾きやすいのだ。今まで考えたこともなかったが、ライ・クーダーもローウェル・ジョージもボニー・レイットもソニー・ランドルスも改造はあれどストラトシェイプだ。で最近よく聴くブレイク・ミルズもYoutubeでみてみるとクーダーばりの改造ストラト。スライドギタリストのエレキというとデュエイン・オールマン、アール・フッカー、デレク・トラックスらはギブソン系だが、フェンダーでスライドというとやはりストラトなのだ。この低音側の角とボディコンターの所為であろう。テレキャスターよりもはるかにコントロールがしやすくスライドにフィットし、そしてサスティンが補ってくれる。なんでこんなことにいままで気がつかなかったのだ。おまけにカポタストのスライドプレイまで、見事にやりやすい。驚きだった。

 実はストラトキャスターの低音弦の音はあまり好きではない。というかテレキャスターやジャガーやジャズマスターや他のギターの方が魅力があると思っている節がある。ピックアップの高さをあまり追い込んでいない所為のなきにしもあらずだろう。もちろん個体差も著しいことはもちろんだ。(このストラトはフェンダージャパン最初期の1982~83年製でかなりよく出来ている)ただ、今回テレキャスターのフロントをマウントしたことでいろいろ想像できた。この低音弦(巻弦)の感じはゴールドフォイルがかなりマッチするであろうことに確信が持てた。さすがのライ・クーダーである。ただその改造はほんの少しボディを加工することになってしまうが、持ち主は何と言うか。そして一般的なストラトの音からは離れてしまうことになるのだが、果たして。



23:04:18 | skri | No comments | TrackBacks