Archive for October 2020

09 October

Fender Reverb Box


 さて、今日は午前中からプリンストンに灯を入れてJensenを鳴らす。修理を頼んだ工房の方に聞いたら、エイジングは時間の問題では無いとのこと。持続して鳴らすとか音量も関係してくるので、何十時間のエイジングというのは目安でもなんでも無い。なるほど。というわけで、二時間ほど小さい音から大きな音まで色々練習しつつ弾く。

 プリンストンのリヴァーブはとても気持ちがよく、2.5~3のセッティングが常だが、時折リヴァーブをオフにしてみる。と、試したくなるのが、Fender Reverb Box との違いだ。これは20年ほど前のリイシューだが、トランジスターのアンプに使うと、チューブ感が足されるので、あまり使う機会がないが手離さないで持っていた。

 繋いでみると、プリンストンの方がはるかに良く、確かにベンチャーズのような低音弦ミュートはこちらの方が気分だが、そこはかとなくかけるにはリリースが短いのだ。かなり深くすることもできるが、リリースタイムは調整できず、このあたりはスプリングの状態であろうか。はたまたプリ管も影響しているのか。明日あたりちょっとバラしてみよう。

 夕方からはリモートでレッスン。音声が途切れがちになるのは回線の所為か、まあ仕方がない。が、そこで面と向かえば簡単に伝えられることも、ちょっと手間取ったりする。少人数だからなんとかできるが、いわゆるリモートワークで会議なんてことは結構大変だろうな。


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08 October

Prinston Reverb


 3年か4年前、スーマー『泥水は揺れる』、カルメン・マキ『デラシネ』、tonco『Noseguy』この3枚どういう順番だったかは覚えていないが、これらは全て入間 guzuri recording house での録音で、私は自分のプリンストン・リヴァーブをキッチン前の片隅にセッティングして録音をした。この頃、既にこのアンプは不調で一時間ほど電源を入れてからではないとノイズが多く使えなかったが、所定のウォームアップを過ぎると絶妙のトーンで答えてくれた。それこそ壊れる寸前の美しさがあった。
 ただ、その後は持ち運びやすさもありヤマハJ25にエミネンスのヘンプコーンの組み合わせがなかなかに気に入り、ライヴではよく使っていたし、録音ではさらに小さいヤマハJ15やテスコ71Cも出番は多かった。で、久しぶりにプリンストンを鳴らしたら、やはり格が違う。が、そう感じたのもつかの間で、ああ、逝ってしまった。

 電源を入れて時間が経つと正常になっていたということは、真空管の不具合とは考えづらい。自分では直せないので、エアガレージ行き。やはりコンデンサの類だったのだが、あの一番大きい電解コンデンサが原因だった。が、この部品は今はなく、リイシューのプリンストンの様にコンデンサを複数つけた修理となった。

 まずはトーンは戻ってきたが、この際だ、できる限りきちんと手を入れることにした。

 1)掃除
 エアガレージから戻ってきて音を確認したら、バラしに入る。なので徹底的に掃除。60年近い数々の汚れと錆び。グリルクロスは洗剤とたわしで洗濯。

 2)バッフルボードの交換
 実はオリジナルの10インチスピーカーのバッフルボードに12インチを装着していたのだ。パイン合板(縦合板。ギターでいうとプライ)をホームセンターで12インチにくり抜いてもらい、軽くオイルステインで着色。

 3)電源ケーブルの交換
 1963年オリジナルの電源コードはなんとも頼りないものだが、この良さもあるはずと思っていて、変えていなかったが、いつでも戻せるのでベルデン19364に交換。プラグはとりあえずマリンコにしてみた。結線は簡単だが、バックパネルの穴を広げるのにかなり時間がかかった。

 4)ステップアップトランスの購入
 既に使っている100V→117Vのトランスは自宅機材用にセッティングして、新たにプリンストン用に購入。悩んだ挙句にサウンドハウスより割高だが、群馬県のアテネ電機に発注。これが素晴らしい。重いけど。

 5)スピーカーの交換
 FANEのアルニコブルー12インチは長年使っていたし、セレッションの同型よりも好みだった。しかし許容入力は100W。たかだか10Wくらいの出力のプリンストン・リヴァーブでは数値としてバランスが悪い。十年ほど前に不具合でしまっていた1963年(多分)のUSA Jensen P12Qを直してくれる工房が割と近くで見つかり、修理依頼。ヴォイスコイルの不具合で、もちろんリコーン。エイジングには時間がかかるが、一聴、現行Jensenとは比べるべくもない綺麗な澄んだ音。ヴォリューム1.5くらいでも違いがわかる。これは楽しみだ。

 と、ここまで二ヶ月くらいの道のり。しばらくこれで鳴らしてみるが、真空管にも手をつけることにもなるかな。

 昨日は渋谷公会堂で収録だったがほとんどがアコースティック・ギター。エレキは一曲のみだったが、アンプはテスコ71Cをフルテンで使った。公開詳細は後日。


 
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