Archive for June 2020

29 June

Sometimes I Just Feel Like Smilin'


 週末は栗コーダーカルテットの録音。先々週も栗コーダーの録音があったのだが、その時はファイルをいただいて、自宅で済ませたが、今回はスタジオにて。スタジオ録音でも一人で演奏することは少なくは無いが、自宅のように全く一人ということはまず無い。今回は栗コーダーのメンバー以外に中尾勘二、太田惠資両氏に会えたのも、嬉しかった。

 さて、週明けて今週は久しぶりの原稿仕事。〆切は週末だが、乗ってくると早い。もう3分の2の字数が埋まってしまった。逆に纏めるのが、難しくなりそうだ。なので、一息入れようと街に行く。今回の原稿資料はmp3なので、(というか新譜の音源に対する資料はもうだいぶ前からmp3だ。)正規盤を買うつもりだった。あまりにも素晴らしいのでやはりもっときちんとした音で聴きたかったのだが、コロナ禍の所為か、輸入盤はまだ店頭には無かった。

 他のものを買うつもりは無かったのだが、つい中古盤を少しだけ見てみると、バターフィールド・ブルース・バンドの最終作 Sometimes I Just Feel Like Smilin' のU.S.オリジナル盤が安価であるでは無いか。実はこのレコードは当時の国内盤の見本盤を持っていて、結構音が良いと感じていたのだが、一箇所カッティング段階だと思うが、レベルを急に下げた曲があり、まあ、見本盤ならではか、と納得していた。昨年だったか、今年の春に実店舗はやめて通販のみになってしまった鷹の台のビュグラーでこのオリジナル盤らしきものを見かけたのだが、店主も確信が持てぬ、ということで結局買わなかった。

 しかし今回のものは確実に1stプレス。レコード中袋がもうジャケットと同じ写真のデザインとポール・バターフィールドのインタビューまである。

 家に帰ると、妻が「これ持ってるでしょ、よく聴いているの知ってる」と返してきたので、これこれしかじか、と説明をして、早速かけてみると、彼女が目を丸くするくらい、別物の素晴らしい音だ。リヴァーヴの感触が手に取るようだ。(ちなみに最近またカートリッジはDL-103に落ち着いてしまった。)

 このアルバム、内容としては少し散漫だと思っていたのだが、とんでもなかった。バターフィールドとこの頃の中心人物ジーン・ディンウィディの意図は明確でまとめ上げているのがここではよくわかるのだ。

 気になるクレジットはRe-Mixing Engineer FRITZ RICHMOND / Mixing TODD RUNDGREN。最終ではリッチモンドがミックスしたのだろうが、わざわざラングレンのクレジットがあるという事は、貢献はかなりあったのだろう。が、私の知るトッド・ラングレンの音よりも華やかだ。

 私はオリジナル盤信仰は無いのだが、今回は本当に驚いた。'60年代後期から'70年代前半は技術革新甚だしく、それは英、米、日、もちろん他の国も、相当に差があった事だろう。誰だったか忘れたがアメリカ人のエンジニアが当時のイギリスのマスタリング、カッティング技術に追いつけなかった、みたいな談話を読んだことがある。
 
 結局はアナログのコピー製造なので、当時としては当たり前の仕方がない事実だが、ここにきて今日のCD及びデジタルは手軽にオリジナルに近いので、それは悪くはない。

 さて、もう一仕事。

23:10:00 | skri | No comments | TrackBacks

22 June

Dino


 M-44のモノラル、シングルで聴いてみたら、抜群だった。ボビー・チャールズ、ヴァレンテノズ、カーター・ブラザーズ等々。シングルはそんなに持っていないので、暫くモノラルはこれで良しとしよう。

 さて、サウンドクラウドについ先日のホープ&マッカラーズのライヴを載せた。大原裕のDino。たしか大原さんはディノ・サルーシの事、だと言っていた気がする。

 https://soundcloud.com/sakuraiyoshiki/dino

 写真はありし日の高岡大祐と大原裕。

22:19:26 | skri | No comments | TrackBacks

21 June

一週間


 先月、今月とコロナ禍で結構時間があったので、普段あまり手をつけないことをやっていたのだ。単純に部屋や物の整理やギターの調整やコンピュータ周りの見直し等々だが、ここへきてなかなかに中途半端で終わってしまいそうで、スケジュールも急にそれなりに入ってきた。このブログも少しマメになり始めたかと思ったら、結構ご無沙汰してしまった。

 この一週間の事、箇条書き。

1) 制作に使っている2008年のMacproのHDを増設して、snow leopardとel capitanで使えるようにする。これがエラーが出て、丸二日かかった。

2) そのMacpro用のwi-fiのPCIeやPCIeからPCIの変換のパーツを検討、注文。中国からなので、まだ到着せず。

3) 今これを書いているMacBookProはHigh Sierraだが、パーテーションをつくってsnow leopardも使えるようにした。これはすぐに出来た。snow leopardは録音用。

4) ネックが反ってしばらく使っていなかったMartin O-18を調整。弦を緩めて一年ほど置きっ放しだったが、かなり状態が良くなっていた。サドルを少し削って、いろいろメンテナンス。アコースティックギターはこのところずっとブロンズ弦だったが、このギターはフォスファーブロンズの方が良いかな。とサウンドハウスに注文。

5) shure M-44用のモノラル針がようやく届く。M-44は確かにレコードらしい音。s音は強くそんなに好きな音ではないが、前と後ろの音がはっきりしていて、これがモノ針の真価かと頷くも、カートリッジのモノ配線の所為かほんの少しハムノイズも気にならないではない。DL-102が欲しくなる。

6) そのモノラル針で最初に聞いたのは近くのハードオフで110円のダイナ・ワシントン / the swingin’ miss “D”。これ最初にDL-103で聴いてしまったのだが、内容も音も抜群。

7) あととても小さな音で高岡大祐さんの新譜『satoyama concrete』。これはどこから聴いても良いのだな。

8) 給付金の類はまだなにも手元に届いていない。

9) 締め切りはまだ二週間ほど先だが原稿仕事がある。書き始めたらなんてことはないのだが、いまはまだもやもやしている。

という一週間であった。

23:59:00 | skri | No comments | TrackBacks

11 June

CHESS


 アメリカの黒人音楽に興味がある方なら、Chessレコード(Checker, Cadetレーベルと前身Aristocratも)はとても重要で避けては通れないことくらいは重々承知であろう。私のレコード棚にも多分50枚くらいはある。そしてその内ブルーズと呼ばれる音楽が30枚くらいであろうか。
 少し前にふとAlbert King, Otis RushのカップリングのアルバムDoor to Doorを聴いていた。久しぶりにジャケット裏のクレジットを読んでみたのだが、殆どが1960,61年の録音だが、アルバート・キングの1953年の録音も3曲ある。そして気になる記述が以下。” ELECTRONICALLY ALTERED TO SIMULATE STEREO ”。要するに電気的に作られたステレオで、いわゆる擬似ステレオというものだ。と言う訳で、所有のChessの白黒写真ジャケットのブルーズマンのレコードを確認してみたら、ほぼステレオだった。これはピンク水色ラベル、オレンジ青ラベルの米盤、その前の水色グラデーションを模した仏盤だ。唯一の例外がHowlin’ Wolf『EVIL』でこれは『Moanin’ in the Moonlight』の再発で曲順違いで所有のものは、オレンジ青ラベルだが、モノラル。それから、P-Vineからの国内盤『Drop Down Mama』もモノラル。チャック・ベリーやボ・ディドリーのP-Vine盤もモノラル。その昔のビクター国内盤のMuddy Waters、Little Walterはモノラルだった。

 が、話はいわゆるChessのブルーズのレコードに絞ろう。大体のChessからリリースされたブルーズの録音はシングルが中心だ。Muddy Waters、Howlin’ Wolfが二大巨頭で言えば、Watersは1960年の『sings Big Bill』があるが、その後もシングル寄せ集めを出している。Wolfは1968年の『This Is Howlin’ Wolf Album』(当時ブルーズファンには酷評だったようだが、全音楽を通じての大名盤)からで、要するにChessは60年代後半までブルーズはシングル中心だった。

 ところが、それをアルバムでまとめる際に年代によって1stプレスはモノだったようだが、私が持っている70年代の再発は全て擬似ステレオと言っても良い。正直言ってかなり音がぼやけている。アンサンブル・ステレオを意識して奥行きを出そうとの処理だが、今では逆効果としか言いようがない。

 だったら1stプレスを探してみようと検索してみると、モノによっては60,000円くらいの値で出ている。オリジナルはEPだろう、と毒づきたくなる価格だ。

 さて、CDはどうかとステレオのアナログも持っているJimmy Rogers『Chicago Bound』を1スピーカーで聴いてみたら、こちらの方が遥かに良い。そして昨日『Moanin’ in the Moonlight / Howlin’ Wolf(Rocking Chair Album)』の中古CDを350円で買った。94年くらいのMCAの日本盤だがモノだ。Evilと曲順が違うので印象が全く違うが、悪くない。所有の『Evil』はモノラルだが、オレンジ青ラベルのものなので、初回プレスには及ばないことは想像に難くない。正直CDの方がダイレクトに響くのだ。もちろんオリジナルのシングルが凄いことであろうが、オークションで3〜4千円のステレオのアナログを買うよりは3〜4百円のCDをお勧めする。

 とは言え、やはりシングル盤は気になるのでオークション等覗いてみたが、ものによっては案外安価だ。とりあえず1〜2枚手に入れてみようと思うが、その前にモノラル針を注文した。ただ届くのはまだ一週間以上も先だ。

 さて明日12日は久しぶりのライヴ。

23:29:00 | skri | No comments | TrackBacks

04 June

2020年 6月ライヴ・スケジュール


 諸々中止になりましたが、一本あります。三ヶ月ぶりのライヴです。


 6/12(金)Hope & McCullers 千葉 柏 Nardis

 
 詳しくはblocにて。よろしくお願いします。


20:54:48 | skri | No comments | TrackBacks