Archive for April 2020

30 April

4月末日


 暇だというのに、今朝は早く目が覚めた。なんとなくラジオをきいていたのだが、ふとカーステレオの調子が悪いことを思い出した。長年、このような機器を使っていると、その不具合加減でどこが悪いのか、なんとなくわかるのだが、今回は機器自体の不具合か、もしくは電装系の接触不良か判断がつかずにいた。電源を落とすと、時計表示になるのが通常だが、鳴らないときはその表示もない。ということは、後者の方が原因ではないかと考えるが、機器への接続は問題なし。ヒューズも大丈夫だ。が、ふと思い立ってバッテリーの電圧低下も疑う。セルモーターのかかり具合は問題ないが、念のためテスターで電圧を測って見たが、12Vバッテリーで12V、だがアナログの簡易的なテスターなので、デジタルテスターを引っ張り出すが、これも調子が悪い。調べてみると、12Vバッテリーで12Vというのは車の場合、劣化が始まっている値らしい。という訳で、バッテリー液を確認しつつ、デジタルテスターで正確な計測をすることを思い立った。バッテリー液の補充は精製水でも良いのだが、車用の強化液を購入しようと、山を越える。ちょうど本日、4月末日をもって閉店してしまう老夫婦がやっているパン屋に行こう、と妻も同行。本日まで有効のオートバクスの割引券を無駄なく活用することが出来、また一山越え、パン屋に向かう。木村屋という屋号だが、町の昔ながらのパン屋で、バゲットなんてない、食パンと惣菜パン、菓子パン、コッペパンの類だ。が、11:00過ぎには全て売り切れで店主に会釈して帰る。折角なので数件隣のこれまた老夫婦の中華屋でラーメンでもすすろうかと思ったが、だったら行ったことがない店で、という妻の提案で車を10分ほど走らせ、川を越える。果たしてそのいわゆる今でいう町中華は街道から一本入った住宅街にあるのだが、創業40年で、ならではの美味のラーメン、550円。女将が良く喋り、まだまだ元気だ。昨今の状況で昼の営業だけ、そしてその女将は常に消毒スプレーを持っている。
 さて、バッテリー液を補充し、今度はデジタルテスターの動作確認。まずは電池交換だが、これが23Aというアルカリ電池で電気屋へまた車を走らせる。だが、電池交換でも動作せずだが、導通だけは確認できる。ということでヒューズを確かめると、これがNG。再び電気屋へ、バッテリー液を補充したばかりなので、走らせるのは望むところだ。で、ようやくデジタルテスター動作確認し、車のバッテリーも13.2Vまで上がり、カーステレオも正常の動作に落ち着いたようだ。が、一晩経ってどうなるか、
 そして、夕方になってしまった。Chessのヴィンテージ・シリーズ(あの白黒写真のジャケット)を聴きなおそうかと思ったが、SP復刻(盤起こし)CDを聴く。ニッポンジャズ水滸伝 、近代ヴァイオリンの巨匠・サラサーテの芸術、双方複数枚組なので、そんなこんなで夜もふける。


 このブログ、ほとんどサボっていたが、これを機会に少しは更新していこうと思っている。ただちょっと過去に遡るのがいささか面倒である。まあそのような方はいないと思うが。今月のアーカイブをみると最新(月終わりの5日間)しか表示できない。なので、それ以前の4月は以下。

4/21 monaural2
4/20 monaural
4/18 改めまして。
4/17 lõm Guitar
4/15 レコードコレクターズ 5月号
4/14 NRQ/No Mans Land Remix
4/13 最近の録音いくつか
4/12 2020年ライヴ・スケジュール(全て延期) 
4/11 TRAFFIC2
4/5 TRAFFIC
4/1 オーディオ1 

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28 April

2020年 5月ライヴ・スケジュール(かなり中止または延期)


 既に中止延期決定のものも含め、一応載せます。


 5/2(土)渋さ知らズ ラ・フォル・ジュルネTOKYO2020 東京国際フォーラム ホールC 中止


 5/13(水)シカラムータ 東京 高円寺 抱瓶 中止


 5/17(日)ホープ&マッカラーズ トリオ+牧野琢磨 東京 入谷 なってるハウス 中止


 5/21(木)Lonesome Strings with 比屋定篤子 東京 高円寺 抱瓶 中止延期


 5/31(日)tonco 東京 渋谷 BYG


 ちなみに来月はJagatara2020やホープ&マッカラーズ等、既に中止延期のものもあります。どうなりますでしょうか。



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26 April

monaural 5


 with the Beatles、ステレオとモノラルどちらが好きか、と聞かれれば、モノラルの方が自然に聴けるし好きだ。ただ何故このようなステレオミックスになったのかは、少し気になる。ジョージ・マーティンがステレオに乗り気でなかったとか、随分経ってからジェフ・エメリックがサージェントペパーズ はモノラルが本当の音、とか、初回プレスはともかく、その後の来日20周年記念のモノラル盤まで結構な高値がついていたり、とビートルズのモノラル神話はぐんぐん高くなる。私自身はそんなに詳しくなく、これも調べながら書いている訳ではないのだが、ステレオに関してはミックスをあえて作ったものや、モノラルを電気的に処理したものが混在していると思われる。収録時間、フェイドアウト、エコーのかかり具合等、手作業なのでミックスが違えば同じテイクでもタイミングは変わってくるのは当たり前。マーティンがステレオミックスに積極的でなかったという説は何と無く頷ける。なにせ1963年当時はEMI社員、保守と冒険の狭間で考えたに違いない。おそらく、当時一番一般家庭に普及していたセパレートではないアンサンブルステレオを念頭においたのではないか。今で言うと、ミックス時にラジカセでも聴いてみるような感じだ。アンサンブルステレオの場合、左右のスピーカーの距離はレコードプレーヤー分の50~60cm、おそらくリヴィングルームの壁を背に置く場合が多いので、聴き手の右または左、あるいは正面等色々なリスニングポジションを想定して、尚且つ、モノラルミックスとの差異がわかりやすいようにしたのだ。(多分この頃はステレオ盤の価格の方が少し高かったはず)要するに自分が好きに聴こえる場所で楽しめる範囲を広げた訳だ。これはオーティス・レディングのステレオにも共通するかな。
 そして4年ほど経ってのアイランドのトラフィック1st。これはもうシングル以外はステレオミックスが本領でモノラルも別に作っていないと思われる。新しいレーベルが新しい世代にできる限り効果が上がるステレオミックスを提供したと思われる音だ。モノラルミックスは特にミックスではなく、ステレオの電気的なモノラル化。変な言い方だが、擬似モノラルだな。
 chessの話は、次回かな。

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25 April

monaural 4


 先日の木下さんへの返信でその後、モノラルからステレオへ、なんて簡単に書いてしまったのだが、ふと気になって色々引っ張り出して聴いてみた。
 まず、T-Bone Walker / his original 1942~1947 performance。東芝EMI日本盤LPで、解説は中村とうよう氏。かなり興味深い解説で流石の日本盤だが、末尾に1974と記されている。なので、1974~75年の日本発売であったことは間違いない。コンパイルも中村氏で原盤はCapital、Black&White、Cometだが、この1974年当時にはキャピトルが買い取っていたものであっただろう。ジャケット裏にレコーディングデータも載っているが、例えば、Lonesome Woman Bluesだと録音は1947年で初リリースのレコード番号はComet T50となっている。1947か48年のリリースなので、想像はつくが、一応画像検索してみたら、オリジナルはSP盤。だが、このアルバムはSPおこしではなく、モノラルのマスターテープ(のコピー、おそらくLR2トラックのモノラル)から作られている。市場には民生用にSPでのリリースだったが、マスターはテープ録音だ。T-Boneより10年ほど前のRobert JohnsonはSPダイレクトカッティングで、King of Delta Blues Singers Vol2のジャケットイラストはあながち嘘ではないだろう。
 そして、1955年録音のLennie Tristano / Tristano。録音テープの速度を変えてダビングしたり等、色々実験的なことがまず浮かぶ作品だが、まずこの録音はレコーダーが2トラックではないと出来ない。曲にとっては2トラック2台だったかもしれない。その実験的なA面のトリオ編成はモノラル、B面リー・コニッツを迎えたカルテットのライヴはステレオである。リリース当時のアルバムはAB面全てモノラルだったであろうが、この録音を聴くとB面は多分ステレオマスターが本領だったのではないか、とさえ思う。それはさておき、1955年の段階である程度の業務用レベルではステレオレコーダーが使われていたことは間違いない。
 で、あえて書くまでもないが、1963年 with the Beatles。このアルバムよりビートルズはモノラルとステレオを同時発売。単純に作り手の立場を考えると、まだステレオの普及率がそれほどではなかったが新しい技術にも力を入れるのは当然であろう。だからステレオもモノと同様既にオリジナルなのだ。
 最後に少し前にも書いたTraffic 1stの紙ジャケットCD。1967年。これがイギリスでのオリジナル盤!みたいな触れこみで実際モノラルもオリジナルだが、製作者側の意図は明らかにステレオだ。この辺り、ビートルズより、新興レーベルだったアイランドの方が風通しがよかったのではないかと思う。どうしてもビートルズはデータもかなり残っているので、基準になりがちだが、そうではないなと。

 とりあえず、続きはまた。

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23 April

monaural 3


 さて、モノラルの件の続き。結局、一つのスピーカーを新たに設置することにしたのだが、まず手持ちの中から選定。タンノイM20、デノンSC-E212、ギターアンプ用のジェンセンC10Rとこれまたギター用に使っているダイアトーンP610DB。タンノイはバスレフ2way、デノンは密閉2way、ギター用は共に後面開放である。通常であればP610DBを適切なエンクロージャーにつけることが望ましいであろうが、まず1スピーカー設置でどこまで追い込めるのか、色々試したかったのだ。リファレンスはアナログがベスト・オブ・マディ・ウォーターズ、ハーブ・エリス / Nothing but the blues、ビートルズ / ラバーソウル(全て日本盤)、CDがブロッサム・ディアリー / Give him the ooh la la、ニッポンジャズ水滸伝 天之巻、キンクス / ヴィレッジグリーン。CDもリファレンスに入れたのは確実にLRが同じだからである。
 そして結果。一番モノらしい気分はC10Rだが、職業柄かもう少しクリアさと上下レンジが欲しい。P610DBはやはり容量、バッフル板の不足は一聴瞭然。SC-E212は気持ちは良いがちょっと高域が落ち着きすぎ、ものによってはミドルが抜けない感じ。M20はモノらしい気はしないのだが、それは慣れか?結局ハーブ・エリスのコリッとした部分が出ていたM20に決定したが、ブロッサム・ディアリーの一曲目のベースには遅れをとっている感じで、これはSC-E212の方が好みか。(この二枚偶然にも1957年録音でエリスとレイ・ブラウン参加)
 それにしてもChessのいくつかアルバムがステレオになっている事に今更ながらに気づき愕然とした。所有のベスト・オブ・マディ・ウォーターズは日本ビクターのモノラルだが、40年代後半から50年代にかけての有名曲は本当に素晴らしい。特にベースのビッグ・クロフォードとのデュオはなんと斬新でクリエイティビティにあふれていることか。そしてこの驚きはモノラル1スピーカーでないと味わえないと断言できるほどだ。

 先日のモノラルカートリッジの件、ちょっと分かり難かったかと思うので、ちょっと追加。ステレオが開発されてからもモノラルは10年ほどは一般的だった。モノラルしかない頃は、左右同等の溝を刻むことができたが、ステレオ開発以降(もちろんメーカーによるが)ステレオも作ることができる機器でモノラルのマスターを作っていた可能性が高い。となると復刻ものはもちろんのこと、オリジナル盤でも年代によってはその可能性が高い。なので、モノラルでも溝の形成に上下の運動が加味されるかもしれないのだ。真のモノラル・カッティングは左右の溝が完全に同等。であれば上下振動がほとんどない、SP針のようなカンチレバーが望ましいのではないかと思うのだが、現行の商品では見当たらず、もうヴィンテージオーディオの世界になるが、LPはともかくEPはそのあたりの違いは如実に出るであろう。ただ1958年以降盤によってその違いを知ることはこれまた難しいに違いない。


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