Archive for 09 March 2009

09 March

大阪


 前日の夜は福岡から広島に車移動。2時頃、宿に到着し、シルクエビスの500ml缶を買うも、二口くらいで、流石にダウン。朝起きた時、かなり残っていたビールが勿体なくて仕方が無かった。

 移動は順調で、予定より早く大阪に着く。セッティングをのんびり始めるが、今日の小屋、シャングリラは初日の磔磔と同じくライヴハウス。演奏することを念頭に作られているステージはやはりセッティングもスムースだ。もう今更入念にリハーサルをする訳でもないので、のんびり過ごす。すると、楽屋にチチ松村さん登場。この人の佇まいは一瞬でその場の空気を和らげる。すごい大人である。

 原さん主催の横濱バンジョー祭りの打ち合わせも兼ね、早い時間に楽屋を訪ねてくれたのである。原さんもバンジョー祭りに向かって、移動中の車の中でも、もろもろ計画を立てていたようで、その打ち合わせ風景の二人の後ろ姿は、もう、私なんぞが気軽に声をかけられないバンジョーへの執念みたいなものを感じた。

 その後、新幹線で到着したM女史マネージャーが現れ、潮音嬢は万全を期すため、リハーサルは無し、という選択をした、と、告げられた。少し心配したが、あの太い神経の持ち主ならば問題ないだろう、と、心配は少しだけだった。なによりも、ここまで5日間歌い続けているが、声は日を追うごとに出続けていて、調子は増すばかりなのだ。

 軽くリハーサルを終え、独りで飯を食いに出る。そんなに空腹を感じなかったが、近くのグリルでビールとオムライス。オムライスは半分くらいで腹を満たした。すると、常連らしい客が入って来て、ビールと野菜炒めを注文。メニューのどこにも野菜炒めは無い。ああ、10分前に自分が欲していたのは、野菜炒めだったのだ。

 本番直前、楽屋の扉を開けると、潮音嬢が立っていた。正確に言うと、立ってはいなかった。手摺にもたれ掛かっていて、足は生まれたての子鹿のようだった。顔色はあまり良くなく、ちょっと年をとって見えた。この時は少し心配が増えたが、もう、我々のステージの時間だった。
 
 そんな無茶なスケジューリングをしたのは、お前だろう、と潮音ファンに責められても仕方が無い。

 この日はただただ演奏した。音の力を純化させたかっただけかも知れないが、いつにも増して、ただただ弾いた。

 最後の曲、「バーレイコーン挽歌」のエンディングで我々はコーラスをするのだが、そこで潮音嬢飛び入り。顔色はよく、いつもどうりの変な動きだ。これは嬉しかった。

 彼女のセットも最初1〜2曲、本調子だったとは言えないが、終盤はさらにアベレージをアップしていた。アンコールも一曲追加した。

 打ち上げはちょっと落ち着いて心斎橋にくり出す。ここでもつまみに蓮根があり、焼酎お湯割りが進む。忠司座長の笑い声は部屋に響き渡り、心地よく疲労して、M女史マネージャーと語り合う。

 そして、宿に戻り、松永さん、玄さんと軽く部屋呑み。私は先に撃沈したようだ。

 
 翌日は、東京に戻るのみ。潮音嬢は何事も無かったかの様に元気で、東名高速を東に何回もサービスエリアで休憩しながらゆっくり進んだ。東京が近づいた頃には日も落ち、後部座席に座っていた私は酒が呑みたくなった。サービスエリアではビールを売っていないので、小城でもらった日本酒を少し飲んだ。旨かった。

23:59:00 | skri | No comments | TrackBacks