Archive for May 2005

31 May

Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の九●


12. Deep River

 作者はHarry Thacker Burleigh(1866-1949)、アフロアメリカンの作曲家及び歌手。この曲や「Nobody Knows the Trouble I've Seen」が代表作とされている。

 かれこれ20年位前になるが、Fats Waller 1939年の録音『FINE ARABIAN STUFF』というアルバムで私はこの曲を知った。Fats Wallerといえば、「ストライド・ピアノ」と言う言葉がすぐに頭に浮かぶが、それと同時にジャズにオルガンを持ち込んだ第一人者でもある。このアルバムはA面がピアノの弾き語り、B面がオルガンの弾き語りという構成になっており、この曲はB面に収められている。他には「Swing Low,Sweet Chariot」や「Frankie and Johhny」「Oh Susannah」等、有名曲が目白押し。

 ここでの「Deep River」はスローテンポなのだが、ちょっと小唄的感覚。ふとした時になんとなく口ずさんでしまう感じなのだ。そして、この曲を知っていたおかげで、大分経ってからだが、Grant Green版に出会う事が出来た。スピリチュアル集『FEELIN' THE SPIRIT』所収だが、実はアナログ盤には入っていない。かくいう私もアナログを愛聴してきたので、CDを買い直そうとは思わなかったのだが、ある日、ふと何故かCD店で手に取ってみると、ボーナストラックなのか「Deep River」が入っている事を発見し、購入。9分近くある演奏だが、この頃は幾度となく聴いていたのもだった。

 その後、ロンサム・ストリングスで取り上げるべくアレンジを施し、録音に入る。ダビングも必要無いし、4人で一発でやれば、すぐにOKテイクが録れるだろう、と思っていたのだが、これが難しい。全ては私の責任。やはりこういう曲は演奏しているとついつい盛り上がってしまう。テイクは何度も重ねた。悪いところはわかっているのだが、私のカルマ落としの為とも言える。タイムリミットも近づき、最後にテーマだけの短いバージョンを静かに録音。これがうまくいった。これを収録してもいいのでは、と思ったくらいだった。そして翌日、再び、通常サイズで録音。うまくいった。カルマが落ちたのか。いや、疲れが出ていたのかもしれない。

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24 May

Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の八●



11. パールハーバーブルーズ(pearl harbor blues for World Standard)

 2000年の夏に作曲したもので、英語タイトルにもあるように、もともとはワールド・スタンダード『Jump For Joy』の為の作品だった。が、選曲からはオミット。(アルバート・アイラーのGhostsのソロギター演奏版が採用された)その割と直ぐ後にロンサムストリングスのはじめてのライヴ(1st先行発売)があったのだが(ものすごい豪雨の日で集客がさんざんだったことは良く覚えている)そのライヴでは既に演奏しているので、バンドのレパートリーとしては最も古いものの一つということになる。
 なので、録音は速やかに終了。少しだけダビングを施してはいるが、基本的には同部屋一発取りでほぼ完成。私のリクエストに答えて玄さんがアドリブパートをラップスティールに差し換えてくれたのだが、テイク1とテイク2、どちらも甲乙つけがたく気持ち良い。その後、テイク選びに苦労した。
 
 もともとのデモテープ版を聴き直したところ、これが結構面白い。乾いたうちこみのチープなドラムと歪んだエレキギター、深いリバーヴのラップスティールだけで成り立っていた。
 ただ、作曲した時は私なりのスラックキー。だから一応タロパッチ・チューニング。10分程でほぼ出来上がった曲だったと記憶している。

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