Complete text -- "Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の九●"

31 May

Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の九●


12. Deep River

 作者はHarry Thacker Burleigh(1866-1949)、アフロアメリカンの作曲家及び歌手。この曲や「Nobody Knows the Trouble I've Seen」が代表作とされている。

 かれこれ20年位前になるが、Fats Waller 1939年の録音『FINE ARABIAN STUFF』というアルバムで私はこの曲を知った。Fats Wallerといえば、「ストライド・ピアノ」と言う言葉がすぐに頭に浮かぶが、それと同時にジャズにオルガンを持ち込んだ第一人者でもある。このアルバムはA面がピアノの弾き語り、B面がオルガンの弾き語りという構成になっており、この曲はB面に収められている。他には「Swing Low,Sweet Chariot」や「Frankie and Johhny」「Oh Susannah」等、有名曲が目白押し。

 ここでの「Deep River」はスローテンポなのだが、ちょっと小唄的感覚。ふとした時になんとなく口ずさんでしまう感じなのだ。そして、この曲を知っていたおかげで、大分経ってからだが、Grant Green版に出会う事が出来た。スピリチュアル集『FEELIN' THE SPIRIT』所収だが、実はアナログ盤には入っていない。かくいう私もアナログを愛聴してきたので、CDを買い直そうとは思わなかったのだが、ある日、ふと何故かCD店で手に取ってみると、ボーナストラックなのか「Deep River」が入っている事を発見し、購入。9分近くある演奏だが、この頃は幾度となく聴いていたのもだった。

 その後、ロンサム・ストリングスで取り上げるべくアレンジを施し、録音に入る。ダビングも必要無いし、4人で一発でやれば、すぐにOKテイクが録れるだろう、と思っていたのだが、これが難しい。全ては私の責任。やはりこういう曲は演奏しているとついつい盛り上がってしまう。テイクは何度も重ねた。悪いところはわかっているのだが、私のカルマ落としの為とも言える。タイムリミットも近づき、最後にテーマだけの短いバージョンを静かに録音。これがうまくいった。これを収録してもいいのでは、と思ったくらいだった。そして翌日、再び、通常サイズで録音。うまくいった。カルマが落ちたのか。いや、疲れが出ていたのかもしれない。

18:18:48 | skri | | TrackBacks
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