Complete text -- "今日のレコード 4"

25 June

今日のレコード 4


 AC/DC / For Those About to Rock We Salute You

 レコード棚のA〜Eの段が壊れてしまっていた。棚板の留め具が壊れ、下の段にかなりの圧力をかけているのだ。A〜E段のレコードを全て取り出し、棚板留め具を応急処置してひとまずは問題無さそうだが、パイン材の簡易的な棚なので、いずれはもっと頑丈なものにしなければならないな、と思いつつ、取り出したA〜Eのレコードをなんとなくパラパラをめくり、この1枚に気づく。おおよそ自分の趣味とはかけ離れているので、その存在さえ忘れていたのだが、こういう機会だからこそ聴くべきもの、とターンテーブルに載せる。

 どのような内容だったかは記憶に無かったが、音楽性は承知しているので特別新鮮に響く事はなかった。個人的には声は好きではない。ただ面白いのはそのヴォーカルのレベル(音量)がかなり小さいのだ。かといって看板のアンガス・ヤングのギターはそこそこ前に出ているが、最前面と言うわけでもない。と言うわけで聴きすすむが、案外ライヴっぽいバランスというのはこれくらいが適正なのかも知れないとも思い始める。役割を考慮したメンバー5人の平等なバランスなのではないか、ということだ。

 であれば、おのずと耳はリズムに傾く。この種の音楽をほとんど好んで聴く事は無いので、ステレオタイプのイメージを当てはめてしまうのだが、そんな事は無い。ドラムもベースも意識してラウドにしている感じでは無く、シンプルな8ビートだが多彩さも感じさせるのだ。そして思いのほか、曲調もバラエティに富んでいて、特にB面はP-FUNKのギターリフを思わせるものもある。

 特筆すべきは、何と言ってもマルコム・ヤングのリズム・ギター。私がもしCCR時代のジョン・フォガティと懇意だったら、トム・フォガティの後釜には彼を押す。グレッチらしき音色は独特だが、塊がなんとも気持ち良い。そしてタイト&ラウドで楽曲の根本を全て作っていると言っても過言ではない。

 聴き終わった後、同じA欄のエイモス・ギャレットのAMOSBEHAVIN' も聴いてみた。もちろん音楽的にも大好きで傑作アルバムだと思ったのだが、ほぼ同じ頃に作られたこの二枚のアルバム、音質としては好みは別にしてAC/DCはクオリティは流石だな、と思った次第だった。

 とは言え、やはりAC/DCをリピートする気にはなれず、レッスンに向かうため、ジョン・レンボーンのアコースティック・ギターを聴きなおす事にした。
 

 



02:00:59 | skri | | TrackBacks
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