Complete text -- "喫煙車"

24 November

喫煙車


 グラノーラボーイズのビルボードでのライブを終えた翌日、先週の週末、小松亮太君のツアーで静岡・掛川と愛知・扶桑に行った。移動は全て新幹線だった。

 初日の掛川への移動は東京駅からは久しぶりに乗るこだま号だったが、新幹線各駅停車、しかも連休の初日ということもあって、乗車率80%に近いくらいの混雑だった。静岡方面への各駅へ向かう人は思いのほか多く、小田原や熱海から乗る人も多い。指定席は確保されていたので、コーヒーを飲みながら、東京駅で買った文庫本のミステリーを読む。小説の区切りの良い場所に来ると煙草が吸いたくなった。最近は東海道新幹線も喫煙ブースなんだよな、と思いながら、15号車をめざすと、こだま号はまだ700系ではなく、喫煙車があるではないか。これはやはり落ち着く。何れ無くなるものであろうが、今のうちに新幹線の喫煙車を満喫しようと、二本立て続けに火をつけた。

 掛川でのコンサートを終え、その晩に名古屋に移動。もちろんこだま号だ。入線時にホームから乗車率を確かめると、30%程か。これなら、自由席の喫煙車も空いているはずだと、迷う事無く、禁煙車の指定席を立ち去り、15号車でビールを開ける事にした。

 この車両は乗車率10%にも満たない。サッポロビールの缶の復刻版のタブを開けると、その音が心地よく響く。

 

 本番後の何とも心地よい時間で、夜汽車は西に向かう。ミステリーも半分程読み進んだ頃、名古屋に到着。

 翌日の扶桑のコンサートは昼公演だったので、その日の夜ののぞみ号で帰京。だが、予定の便の40分前には駅に着き、乗変す。

 その乗車したのぞみ号は珍しく700系では無かった。喫煙車があった。迷わず、3号車に向かう。乗車率は5%。何とも快適で、ビールを開け、向かいの席を対面にして、足を伸ばし、くつろいだ。

 心地よい疲労はあったが、眠くは無かったので、ミステリーの続きを読んだ。

 新横浜に着く頃、その本は読み終わったが、そのミステリーは上下巻で構成されていて、結末には辿り着けなかった。

 なので、少し歯がゆい思いで品川駅に降り立った。

04:12:21 | skri | | TrackBacks
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