Complete text -- "韓国"

17 September

韓国


 台風の間をすり抜けて、韓国から戻った。韓国でのライヴは二度目だが、前回はソウル、今回は下の記事にもあるように、小松亮太&ザ・タンギスツで加平郡のチャラ島でのジャズフェスティバルへの出演。

 前乗りで羽田からの出発なので、あまり海外に行く感じはせず、おまけに空港の書店で『下山事件ー最後の証言』の文庫本を見つけたので、購入し読みふける。一緒に搭乗したのは、ピアノの林正樹君だけで、小松君含め他のメンバー(近藤久美子Vin、田辺和弘cbとスタッフ)は既に済州島で別プログラムのコンサートを行っており、先にソウル入りしている。飛行機に乗ってしまえば、一食して、もうソウル金浦空港。出迎えもスムースで難なく会場近くのホテルかと、思いきや、ソウル市内は大変な渋滞。とにかく、いつまでたっても30km以上出せない状況が続く。大雨だったとは言え、東京でもこんな渋滞は滅多に無い。で、結局ホテルに着いたのは22:00頃。大雨だったのでホテルの食堂で、ビビンパを食らうが、安価でおいしい。

 翌日昼はは幸いなことに雨は降っていないが、雨雲と晴れ間を交互に確認し、台風の接近を感じる。会場に着くと、ステージ周りはぬかるみ、ステージ上もびしゃびしゃだ。なので、リハーサル進行も大幅に遅延。


 



 なんでも、前日のプログラムは大雨のため、サブステージはすべて閉鎖。このメインステージのみで全プログラムを組んだらしい。なので、大雨にも関わらず終了が午前3時だったとのこと。自然に囲まれたこの環境、さぞかしお客さんも出演者も大変だったことだろう。

 実は小松亮太&ザ・タンギスツは2年ぶりくらいの演奏。そのときのツアーで一度キンテート(五重奏団)は休業したのだが、今回は特別に再編。野外の所為か、久しぶりな所為か、サウンドチェックからなにやらわくわくしてきた。


 



 タイムスケジュールが押したので、他の出演者もぼちぼち集まる。我々のリハーサル中、ステージで写真を撮りまくっていたのが、ボブ・ジェームズ氏。限られた時間の中リハーサルは進み、とある曲を最後に演奏。その曲中盤で私の譜面が風で飛んだ。なんとなく憶えていたのでそのまま演奏していたら、すかざず、足下にやってきて譜面を直してくれた白髪の紳士はラリー・コリエル氏だった。リハーサル終了後、礼を言い、日本から来たことを告げると、丁寧な日本語の挨拶で返してくれた。

 本番は幸い雨も降らず、そして、リハーサルで感じた楽しい気持ちのまま演奏。そしてやはりお客さんにも乗せられ、大変良いステージだった。亮太君はMCを全て韓国語で行なったのだが、それに対する反応がとても良く、かなり日本語のレスポンスもあった。

 我々の後がボブ・ジェームズ&ラリー・コリエル。リハーサルではかなりラフなセッション。コリエルがジェームズの曲のメロディをうまく弾けず、笑いながらうなっていたりしたのだが(結局、本番ではその曲はやらず)、本番はステージが進むにつれ、各人のソロが冴え渡る。ハービー・メイソンの音はなんとも綺麗で聞き惚れたし、コリエルのピッキングはゴリゴリで、ときおりのベンドは熱い。ロック魂全開。そして、コリエルのソロ、あのボレロは夜空に響き渡り圧巻だった。特に昔熱心に聴いていた類いの音ではなかったのだが、ステージバックヤードでビールを飲みながら、聴き入ってしまった。


 



 残念ながら、その日のホテルはソウルだったので、その後のスタンリー・クラーク&ジョージ・デュークは観ずに会場を後にした。前途含めこのメンツでは、ジョージ・デュークに関する音源はフランク・ザッパ一連でかなり聴き親しんでいたのでまあ残念だったのだが、仕方がない。リハーサルでは、あの熱い歌を少しだけ聴くことができ、なんだか嬉しかった。

 ソウルまでは80kmほどか。宿に着き、ホテル下のオープンカフェで焼酎をくらい、早起きに備えた。

 早朝の金浦空港国際線出発ロビーの人影は疎らだった。

17:24:50 | skri | | TrackBacks
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