Complete text -- "マジョルカにて 2"

28 August

マジョルカにて 2


 先ほどの日記を書いてから、しばらくホテルの部屋で缶ビールを飲みながら、海を眺めたり、ギターを弾いたり、とのんびりしていた。多分元来の貧乏性か、以前であれば海外でのオフで観光をしない、ということは考えられなかったが、他所に来て何もしない、バカンスとはこういうものなのか、と気持ちだけでも裕福になった気がする。

 が、その後しばらくして、マネージャーH氏のはからいで山間部の街、バルデモサに出かけてみる。どうも覚えにくいこの名前、バルデラマとかバルサミコと混同してしまうが、多分間違いは無いだろう。このバルデなんたらと言う街はショパンとサンドの愛の逃避行の末の地として名高いらしい。ショパンは結核だったか肺炎だったかを患い、冬にこの地に来たらしいが、山間部なので、寒いはず。事実、今日でもTシャツ1枚では少し肌寒い。とても保養に向く地とは思えんが、人目を避けたかったのかね、彼等は。
 その二人が滞在した元修道院が博物館的に公開され、それがこのバルデラマ観光の目玉とも言えるようだ。中にはもちろん教会もあり、蔵書のライブラリーや直筆の楽譜等、展示されている。ショパン曲のコンサートも行われている。
 だが、私は見学しなかった。ここに着く車の中ではそのつもりでいたのだが、この村の景色だけで十分だった。のんびりついでにもっとのんびりしたくなったわけだ。すこし散策したら、眠くなったので、ベンチで昼寝。しばらくして、ここでも結婚式があり、その喧騒で目がさめるが、私が眠っていたベンチの脇で新郎新婦が記念撮影をしていた。


  


 それから、カフェで軽く一杯飲んでぼやけていたが、他所に来てただそこにいる、というのもなかなか良いものである。
 
 明日、皆より一足先に帰途につくが、バルセロナでトランジット5時間待ちか。

08:20:00 | skri | | TrackBacks
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