Archive for October 2007

26 October

80's


 ちょっと前に本屋に並んでいた、レコードコレクターズ誌のロック・アルバム・ベスト100は60年代から80年代の年代別の選盤のページもあった。60年代、70年代のところはぱらぱらめくってみたが、80年代に来て書棚に戻した。ぱっと考えると80'sの音楽で今でもよく聴くものは、少ない気がするのだが、CDレコード棚を何となく見てみたら、とんでもない。今でもちょくちょく聴くものがかなり多い。よく考えてみれば、80's、私は18歳から28歳、リアルタイムやそうではないものひっくるめて、とにかくいろいろ聴いていた時期なのだ。80年代に発売され、自分が80年代にはじめて聴いたもので、邦盤ははずしたが、20枚程上げてみよう。


 1. Willie Colon / Fantasmas

 

 自分にとっては既視感と未視感を同時に体験したようなレコードです。既視感といってもデジャブじゃなくて、もっと明らかに知っていた事。未視感というのは、はじめて聴いたサルサのレコードだったからです。歌詞を理解しようと思った事はないのですが、壮大なSAGAにも思えます。今でも、酔って聴いていたら確実になく一枚。



 2. Carla Bley / Social Studies

 

 これもウィリー・コロンと同じような感じを抱くのですが、決定的に違うのは、これでは泣きません。ただただ、演奏を堪能するのですが、もう誰が演奏しているのか、そんなことはどうでもよくなります。同じ景色がずっと続いているように感じますが、ゆえに物凄く大きく感じるのです。


 3. Dr.John plays Mac Rebennack

 

 テリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」という映画では、アストル・ピアソラとファッツ・ドミノの音楽が効果的に使われていて、主人公が「20世紀の音楽はよかったなぁ」というシーンが印象に残っていますが、どうも私にはこのDr.Johnのピアノはそのピアソラとファッツ・ドミノの間の響きに聴こえるのです。


 4. Doller Brand / African Marketplace

 

 ただただ、好きなアルバムです。1980年発表だった事にやっと気がつきました。


 5. Van Morrison & The Chieftains/ Irish Heartbeat

 

 ただ演奏しているだけなのですが、彼らの演奏が何かを呼んだのは、間違いないでしょう。それには何か資格が必要なのでしょう(笑)。こんな風に音楽が作れたら、と思うアルバムです。



 以下、列挙。

6. Fabrizio De Andre / CREUZA DE MA
7. King Sunny Ade / Juju Music
8. Ian Dury & The BLOCKHEADS / LAUGHTER
9. Gil Evans / Priestess
10. Laura Nyro/Mother's Spiritual
11. Cowboy Junkies/ THE TRINITY SESSION
12. Linton Kwesi Johnson/Bass Culture
13. Brave Combo/Humansville
14. Astor Piazzolla/Tango Zero Hour
15. Salif Keita/Koyan
16. Funkadelic/The Electric Spanking War Babies
17. Neville Brothers/Yellow Moon
18. Lou Reed/Live in Italy
19. Mariannne Faithfull/A Child's Adventure
20. XTC/Skylarking

 まあ、その他にもMini All Stars/Pure Gold、 Robert Palmer/Pride、Rip Rig & The Panic、Youssou N'dour et le Super Etoile de Dakar/Jamm、Richard Thompson/Hand of Kindness、、、と案外出てくるのだ。

 要するに自分にとってはこんなに重要な時期もない訳なのだが、どうも「80's?」なんて怪訝な顔になってしまったりもするのだな。はて。

23:50:00 | skri | No comments | TrackBacks

06 October

今日の三枚


 このところ、外に出る仕事は無く、割とのんびり過ごすが、久しぶりにまとまって練習。

 

 あまりに弾けないフレーズがあったので、ゆっくりゆっくり弾いていたのだが、何時になったらまともに弾けるのか、と自己を嘆く。

 で、今日聴いた三枚。

 

 Heath Brothers/Marchin' On
 久しぶりに聴いたが、やっぱり傑作。なのだが、聴きながらついMbiraに反応したりして、バンジョーウクレレを手にとってしまう。気軽な内容とは言えないのだが、裏腹にただただ気持ちよくなってしまうのだな。

 
 

 Larry Coryell/Coryell
 この間、韓国で親切にされたラリー・コリエルさん。1969録音。シンガーソングライター的な部分もちょいあり。かなり歌の割合もおおし。よくあまりうまくないものに味があるというが、この歌には味も無い。が、無謀さがすばらしい。ジャケだけ持っていってサインしてもらえば良かった。

 
 

 Roger Tillison's Album
 コリエルの唄を聴いていて、思い出したのが、ロジャー・テリソン。スワンプロックの名盤とされてるが、実は未だにピンと来てない。ジェシ・エド・デイビスのプロデュースだったら、ジム・パルトとかジーン・クラークの方が、愛聴度高し。名盤再発と称して何度か発売されているが、よくカタログに並んでいた同じようなジャケットのジェシ・ウィンチェスターとなんとなくだぶったりする。ジェシ・ウィンチェスターの方が良く出来ているよな、とも思いつつ、今日久しぶりに聴いたら、ジェシ・エド・デイビスの音はやはり胸を突く。


 明日(9/6)は横浜ジャズプロムナード、酒井俊さん。編成大きいです。(スケジュール参照)よろしく。

01:25:42 | skri | No comments | TrackBacks

05 October

ラジオ深夜便


 さっき、NHKラジオ深夜便を聞いていたら、ちあきなおみの『喝采』がかかった。今日の焼酎の最後の一杯を飲んで、そろそろ寝ようかという、時間だ。『喝采』は1972年の大ヒット曲で歌唱、楽曲ともにほんとに素晴らしい事はいうまでもないが、このところ目にしていたこの曲の画像はわりと、ともすれば、過剰な表現のようにも思っていたのだが、久しぶりにオリジナルレコーディングを聞いて、びっくりした。思っていたより、だいぶ淡々としていて、聞く側の想像力がかき立てられる。なんか、映画のようでもある。
  
 そして、耳をひいたのが、イントロと歌中少し、アウトロで聞こえるトレモロ奏法の弦楽器。明らかにアンプリファイドされているが、エレキギターのサスティンではない。しかもアウトロでは、エレキのメロとかぶってくる。トレモロ奏法をしてはいるが、明らかに複弦楽器ではない。おそらく、フェンダータイプのエレクトリック・マンドリンである。ロックファンなら、ジェレミー・スペンサー(元フリートウッド・マック)のソロアルバムの裏ジャケ。ジャズファンなら、ジョン・アバークロンビーが時々使う、小さいエレキギターなもの。と言えば解るか。(わからないか。共に、マニアックだな)

 『喝采』の場合、多分、マンドリンの代用として使われているのだが、逆に、普通のマンドリンよりドライに聞こえて、それがまた、ちあきなおみの抑えた歌唱と合いまって、偶然なのか、見事当てはまっている。

 地方の居酒屋で一人飲みをしている時にこの曲がかかったら、男は気分だけだが、寅さんなのだ。

04:35:24 | skri | No comments | TrackBacks