Archive for September 2007

24 September

radio


 今日のレッスンは思いのほか面白かった。単純な2拍くらいのフレーズでピッキングや強弱やニュアンスを変えていくというもの。でも、その一拍目から始まるフレーズが人によっては、二拍目裏だったり、四泊目頭にも聞こえたりする。なので、意識的にフレーズごと拍をずらしたりする練習を続けていると、おのずとその拍に合った弾き方に変わっていくのだ。そして、また拍をずらす。今度は違いが何となくわかって来たようで、あっという間の一時間。




 さて、昨日は横浜で酒井俊さんのライヴ。メンバーは宮野裕司(as)、佐藤芳明(acc)、水谷浩章(b)(敬称略)と私。ここ数年、俊さんがやろうとしていることが、初組合わせのこのメンバーでもより明確になってきているのが、面白い。問題は私がふさわしいプレイをしているかどうかだが、こりゃ、日々勉強ということだな。


 ライヴを終え、帰路をなんとなく国道16号方面にしてみた。開演前にほとんど食べなかったので滝山城址の近くで、ラーメンを食らう。店内に入ると、ポール・サイモン「恋人と別れる50の方法」が聞こえてきた。このラーメン屋にふさわしくないFMの選曲だが、その後はスティーブ・ミラー「Fly like an Eagle」ザ・バンド「The weight」そして食べ終え、店を後にした。車に戻りそのFMに合わせてみた。曲はシールズ&クロフツ「サマーブリーズ」。横田基地が近づいた頃、ラジオのナビゲーターはシカゴの特集であることを告げた。基地の第二ゲート前で信号待ちをしていたら、「長い夜」。その後の曲名は思い出せないが、たしか「クエスチョンズ」もかかったと思う。三曲ほど70年代のシカゴがかかっていたのだが、その時は丁度、横田基地沿いの国道16号を走っていた。もちろん、当時の福生はリアルに知っていた訳ではないが、この音に興奮した。中学時代、同級生にシカゴの大ファンがいて、そいつに無理矢理聴かされたことなんか思い出し、懐かしんだ。自分が22年ほど前この辺りに住んでいたことも重なった。車が16号から旧道に入り、新青梅街道に抜ける頃、曲は「If you leave me now」に変わった。素晴らしいタイミングだった。懐かしむのを止め、安全に車を走らせることを心がけながらラジオを切った。

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22 September

草月ホール


 昨日は湯川潮音@草月ホール。ここでの演奏は個人的には5〜6年前の小松亮太君以来なのだが、彼女にとっては初のホールでのコンサートとのこと。

 さて、今回はほぼ全ての楽器はマイクのみで増幅された。ほぼというのは、実は少しだけ、ラインやアンプリファイされた。潮音ちゃんのアコースティック・ギター(完全マイクのみだと歌とかぶり両方ぼやけてしまうので、生音とライン出力を併用)と松永さんのベース(ステージ上の音圧が寂しいので、アンプ使用。生音のマイクとアンプ出音のマイクを併用)のみ、上記理由で完全生という訳ではなかったのだが、ステージ上の感触はまさにアコースティックだった。

 なので今回はピックアップのついていない楽器を多数使用した。

 

 バンジョー、アコースティック・ギター×2(レギュラーチューニングとオープンチューニング)、バンドリン、アイリッシュ・ブズーキ、プサテリー。

 と、かなりいろいろやってみた。全体のアンサンブルにも左右されるが、アコースティック・ギターが一番音が小さく、案の定、モニタリングは苦労した。

 一曲目の出だしは妙に緊張したが、それは演奏のことではなく、モニターのこと。リハーサルでは充分チェックしているが、お客さんがはいると音はがらりと変わる。イントロで自分のタッチを確認出来る良いモニタリング状況だったので、まずは一安心。

 しかし、やはりアコースティック楽器の生での響き合いは、格別の気持ちよさがある。ライヴ自体もかなり良い出来だったのではなかったか。今回だけのアンサンブルだったのだが、もったいない。とはいえ、今回のみだったから、うまれた緊張感と言えなくも無い。でも、ぜひまたやりたいものだ。


 羽をつけた松永さん。

 


 潮音画伯による今回のバンドメンバー

 


 
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20 September

pickup


 さて、明日は湯川潮音さんのコンサート@草月ホール(既にチケットはソールドアウトの様子)なのだが、今回は生楽器のみ、しかも私は完全アンプラグド、マイクのみの増幅で演奏する。なので、アコースティック・ギターのサウンドホールからピックアップを久しぶりに取り外してみた。やはり、ピックアップを取り付けているだけで、トップ板の振動は確実に妨げられていることを実感。ポロンを弾いてみると、なんだか楽器が喜んでいる感じがする。

 



 下のデュアルモンドは60年代製の古いものでMartin 0-18にとりつけている。これはハイファイじゃないが、私にとってはすこぶる音楽的で大好きなピックアップ。こいつはロンサムストリングスでは欠かせない音色を出してくれる。だが、暫定的につけたドレッドノート用のドンレースはさほど好きではない。ピックアップの重量も軽いとは言えないので、そろそろ他のシステムを検討するか? というか、アコースティック・ギターの増幅について、いろいろ考え直さねばならんのだが、これはいつまでたっても難しい問題なのだ。

23:54:22 | skri | No comments | TrackBacks

17 September

韓国


 台風の間をすり抜けて、韓国から戻った。韓国でのライヴは二度目だが、前回はソウル、今回は下の記事にもあるように、小松亮太&ザ・タンギスツで加平郡のチャラ島でのジャズフェスティバルへの出演。

 前乗りで羽田からの出発なので、あまり海外に行く感じはせず、おまけに空港の書店で『下山事件ー最後の証言』の文庫本を見つけたので、購入し読みふける。一緒に搭乗したのは、ピアノの林正樹君だけで、小松君含め他のメンバー(近藤久美子Vin、田辺和弘cbとスタッフ)は既に済州島で別プログラムのコンサートを行っており、先にソウル入りしている。飛行機に乗ってしまえば、一食して、もうソウル金浦空港。出迎えもスムースで難なく会場近くのホテルかと、思いきや、ソウル市内は大変な渋滞。とにかく、いつまでたっても30km以上出せない状況が続く。大雨だったとは言え、東京でもこんな渋滞は滅多に無い。で、結局ホテルに着いたのは22:00頃。大雨だったのでホテルの食堂で、ビビンパを食らうが、安価でおいしい。

 翌日昼はは幸いなことに雨は降っていないが、雨雲と晴れ間を交互に確認し、台風の接近を感じる。会場に着くと、ステージ周りはぬかるみ、ステージ上もびしゃびしゃだ。なので、リハーサル進行も大幅に遅延。


 



 なんでも、前日のプログラムは大雨のため、サブステージはすべて閉鎖。このメインステージのみで全プログラムを組んだらしい。なので、大雨にも関わらず終了が午前3時だったとのこと。自然に囲まれたこの環境、さぞかしお客さんも出演者も大変だったことだろう。

 実は小松亮太&ザ・タンギスツは2年ぶりくらいの演奏。そのときのツアーで一度キンテート(五重奏団)は休業したのだが、今回は特別に再編。野外の所為か、久しぶりな所為か、サウンドチェックからなにやらわくわくしてきた。


 



 タイムスケジュールが押したので、他の出演者もぼちぼち集まる。我々のリハーサル中、ステージで写真を撮りまくっていたのが、ボブ・ジェームズ氏。限られた時間の中リハーサルは進み、とある曲を最後に演奏。その曲中盤で私の譜面が風で飛んだ。なんとなく憶えていたのでそのまま演奏していたら、すかざず、足下にやってきて譜面を直してくれた白髪の紳士はラリー・コリエル氏だった。リハーサル終了後、礼を言い、日本から来たことを告げると、丁寧な日本語の挨拶で返してくれた。

 本番は幸い雨も降らず、そして、リハーサルで感じた楽しい気持ちのまま演奏。そしてやはりお客さんにも乗せられ、大変良いステージだった。亮太君はMCを全て韓国語で行なったのだが、それに対する反応がとても良く、かなり日本語のレスポンスもあった。

 我々の後がボブ・ジェームズ&ラリー・コリエル。リハーサルではかなりラフなセッション。コリエルがジェームズの曲のメロディをうまく弾けず、笑いながらうなっていたりしたのだが(結局、本番ではその曲はやらず)、本番はステージが進むにつれ、各人のソロが冴え渡る。ハービー・メイソンの音はなんとも綺麗で聞き惚れたし、コリエルのピッキングはゴリゴリで、ときおりのベンドは熱い。ロック魂全開。そして、コリエルのソロ、あのボレロは夜空に響き渡り圧巻だった。特に昔熱心に聴いていた類いの音ではなかったのだが、ステージバックヤードでビールを飲みながら、聴き入ってしまった。


 



 残念ながら、その日のホテルはソウルだったので、その後のスタンリー・クラーク&ジョージ・デュークは観ずに会場を後にした。前途含めこのメンツでは、ジョージ・デュークに関する音源はフランク・ザッパ一連でかなり聴き親しんでいたのでまあ残念だったのだが、仕方がない。リハーサルでは、あの熱い歌を少しだけ聴くことができ、なんだか嬉しかった。

 ソウルまでは80kmほどか。宿に着き、ホテル下のオープンカフェで焼酎をくらい、早起きに備えた。

 早朝の金浦空港国際線出発ロビーの人影は疎らだった。

17:24:50 | skri | No comments | TrackBacks