Archive for July 2005

25 July

宍道湖


 昨日の東京の地震は結構揺れたとの事。

 だが、小松亮太くんのコンサートで松江に行っていたのだ。於、プラバホール。3,4年前にもこのホールで演奏して非常によい記憶があるが、やっぱり、音響の良さを再確認。演奏者が非常に気持ち良くなれるアンビエンスなのだ。「8時だよ、全員集合」とかで使われていたような、古い市民会館や公会堂のすこしデッドぎみだが、そこはかとない渋いアンビ感も大好きだが、ここはそれらに比べればはるかに響く。とはいえ昨今の近代的なホールのやたらに残響がきんきんした感じは無く、中域が豊かに響いてくれる。そして、サウンドチェックと本番のステージ上の音がそんなに変化しない、というのも結構驚き。
 当然、気持ち良く演奏出来たので、コンサートも上出来。特に第2部の全員の呼吸感は、自然に集中していただけなのが、ここ最近では特筆もの。マネージャーのH氏も終演直後に絶賛していたくらいだった。

 ここ松江には4回程ライヴで来ているが、演奏上は良い記憶ばかり残っている。10年程前、Mamadou Doumbia with MANDINKAでやった時は、ネーネーズとセッションになり、ママドゥと二人でギターを弾いた事があったが、あれは楽しかった。バンバラと島唄が自然に混ざっちゃったんだよな。

 それに反して、酒ではあまり良い印象が無い。昨日、出雲空港に降り立った時も、メンバー間の会話は、前回の来松時のはずした居酒屋の話。確か、宿近くで日曜日だったせいか、空いている店は少なく、仕方なくその店を選んだのだが、たいした料理も無く、ビールを少し飲んだだけでかなり割高だったのだ。やられた。

 今回も同じ宿だが、土曜日ということもあり、選ぶほど店は開いている。このあたりの飲み屋街は、いわゆる街というには、普通の町並みに飲み屋が並ぶ、という感じで、米子とは大違い。そして、裏に入ると、渋い居酒屋やスナックもちらほら。そしてその向こうは宍道湖に注ぐ川が広がり、その川べりは生暖かい風でも気持ち良く、情緒もある。

 過去にはずした居酒屋を指差し確認しながら、やり過ごし、全員で吟味を重ねた結果、「串かつ」の看板の店を選ぶ。これが、ナイス。串かつ類も当然旨いが、イカ刺しやしめ鯖がこれまたいい。店は自然に古くなった佇まいだが、一人できりもりしているであろう、50代後半の上品な女将があたりまえに清潔にしているのだ。この女将がやっている店に間違いはない、とは同席したエンジニアK氏の開口一番だが、同感。テレビもラジオも音楽も無い。ときおりの揚げ物の音が食欲をそそる。腹も落ち着き、ようやく松江で旨い酒が呑めたのだが、残念な事にこういう店は閉店時間も早い。ラストオーダーの残り酒をちびちびやっていると、K氏はカウンター越しに厨房をかたずけ始めた女将と談笑している。これもまた居酒屋道の一つ。

 疲れてはいたが、少々飲み足りないので、道すがらの蕎麦屋でもう一杯。割子そばをほんの少しだけ食べたが、やはりあまり好みでは無かった。

 ところで宍道湖名産七品というのを以前聞いた事がある。「すもうあしこし」と覚えるらしいが、うなぎとしじみしか分からないので、意味無し。


 

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11 July

ライヴ三連


 このところ、三日間ライヴが続いた。

 一昨日はSAXの藤原大輔くんと久しぶりのデュオ。酒場の流しである。このデュオ、前二回は藤原くんが割とエレクトロニクスを多用していたが、今回は二人の楽器とローランドのリズムボックスでのぞんだ。テーマ曲ともいえる『パリス、テキサス』のメキシコ歌謡こそやったが、今回はオープンしたての銀座のジャズバーのオープニングと言う事も有り、スタンダード中心の選曲。だが、バラードの「BODY AND SOUL」は、二人だけでそこそこ渋く決めたが、パーカーもサッチモもすべてリズムボックス入りの似非ラテン風。しかも通常はフィルターを多用する藤原くんも16分音符すらあまり吹かない、渋い歌い上げ方だ。まだあまり知られていない狭いバーだが、2部は満員になり、アンコールも。急遽、バーということもあり、その場で「ストレート・ノー・チェイサー」だが、リズムボックス入り、思わず演奏していて笑った。この酒場のデュオ、今回は相当良い感じで流せた。全国の酒場関係者の皆さん、この一風変わった流し、お声がかかればどこでも参上しますぜ。一畳の演奏スペースがあればOK。

 昨日は吉祥寺で酒井俊さん。メンバーは太田恵資さん(vln)、松永孝義さん(b)と私。雨がひどかったこともあっただろうか、集客は今一つ。物凄く良い瞬間も多かったものの、実は構成に不馴れな曲もいくつかあり、お聞き苦しい場面もあったことだろう。が、現在、俊さんはいろいろなメンバーで、そして異なったアレンジでライヴを重ねている。実を結ぶのはちょっと先かも知れないが、その場でしか観られない瞬間も多々有る。思わずにやりとする場面も少なく無い。そういった意味でもこのところの酒井俊さんのライヴはお薦めだ。
 ちなみにこの太田、松永、桜井というメンバーで15日にカルメン・マキさんのライヴ。そして、今回からバンド名がついた。「隠者の森」。

 そして、今日は浦安クラブ・イクスピアリで小松亮太くん、5人編成のタンギスツ。本日は入れ替え制の2ステージ。キンテート(5人編成)の2ステージは思いのほかハードで、80分程(×2)の本番だが、最後三曲のピアソラの大曲は終った瞬間へとへとになる。運動量もすごいが、それをささえる集中力による疲労だな。もう何回となく演奏している名曲「ブエノスアイレスの冬」は慣れきっているはずなのだが、集中力に隙間ができると、うまく乗れない難曲でもある。今日の2部のこの曲含めラスト三曲は特に、かなり濃密なストーリーが生まれた演奏だった気がする。
 この小松亮太&ザ・タンギスツ、今月から来月にかけてレコーディング。秋冬は集大成ともいえるツアーがある。
 帰りは首都高の工事渋滞でへとへとになり、ようやく家についた。ビールが旨い。

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