Archive for 05 July 2013

05 July

今日のレコード 6


 野平祐二とスピードシンボリ / その生いたちから栄光のゴールまで (1971)

 何だかタイトルだけ見ると昔の歌謡グループみたいだが、音楽ではないレコードを聴いてみようと、近くのハードオフに行ってみる。落語のアルバムは多々置いてあったが、もう少し違う音を欲していたので、これを選んだ。ただし競馬には全く興味が無く、知識も無い。ちなみに105円。

 その競馬には全く疎い私だが、このスピードシンボリの名は覚えている。とにかく小学生の頃、幾度となく聞いた競走馬の名前で、その前にはシンザンというのもなんとなく聞いた事あったが、競走馬というものを初めて意識したのがこのスピードシンボリという馬だった。

 内容は当時の競馬実況にナレーションが被さるスタイルで進んでいくが、時折オーナーや野平騎手、歌手の春日八郎のインタビューも挟み込まれる。

 やはり興味深く響いたのが、当時の実況である。この頃、競馬実況といえば日本短波放送だった。その後「ラジオたんぱ」と名を変え現在の「ラジオNIKKEI」である。何せ短波放送は受信状態が優れている事は然程無く、ノイズまみれから聴こえてくる印象が強かったのだが、それがこのレコードではクリアに聴こえるというのは、ちょっとした驚きである。コンプレッサーは当時のNHKよりは快活な感じで、思いのほかリバーブがかかっている。面白いのはやはり小さいスピーカーを意識したレンジの狭さである。そして、それを普通のオーディオで聴くという妙。そして、ナレーションの律儀さも、昔の映画のニュースを思い起こさせる。

 かと言って、それでも競馬に興味が湧く事は無いのだが、私の様な疎いものでも知る競走馬の存在というのは何だか時代の勢い、そして景気と密接な関係であるのは、この声たちの高揚で伺い知ることが出来る。
 

 


23:34:14 | skri | No comments | TrackBacks