Archive for 07 March 2009

07 March

小城


 実は私は佐賀県で生まれた。祖母が佐賀県人で母親が出産の為、実家に帰っていただけのことだが、生まれてしばらくはそこにいたらしい。その後、小、中学生の夏休み時は必ず佐賀県に行っていた。なので、佐賀の小城と言えば、羊羹、というキーワードがすぐに出てくる。

 ここで、このツアーでかなり重要なI女史が登場。実はこのツアーの中で、もっともブッキングが遅い場所で、一時はオフにするか、でも、土曜日だしな、、、と悩んだ場所である。

 ブッキングは2008年末に決まったが、もろもろツメに入ったのが、今年の一月半ばである。

 ブッキングするにあたって、I女史は初めての電話でマシンガントーク。そして、もろもろの事情で上京し、一月半ばには酒井俊さんのライヴに顔を出してくれ、ようやく具体的なことが決まる。

 広島〜佐賀の移動はそんなに楽で無いが、関門海峡を渡ると、心はシャキッとする。(まあ、そこからがすぐとは言えないが)

 この辺りが、会場の筈だ、とゆっくり走っていた機材車だが、スタッフ一同「湯川潮音とロンサムストリングス」の手描き看板を見つけ声を上げる。一目見て、その酒蔵は素晴らしいロケーション。が、脇で潮音嬢も別の声も上げている。「私、今、大変なことになっています」と横を見ると、顔面パックの真最中。

 過去、個人的には幾つもの酒蔵で演奏して来たが、ここは格別だった。外見はパッとサイデリアだが、中に入ると趣は建造当時のままにちかく、所々の補修の合板が何とも微笑ましい。

 既に原さんは東京から到着していて、地元スタッフの手助けもあり、セッティングはスムースに進む。忠司座長の働きはここでも素晴らしく、理想のステージロケーション。

 潮音嬢の連日の歌唱を考慮して、この日は彼女の弾き語りコーナーは無し。なので、ロンサムコーナーはちょいと長めで、MCもいつも通りのペースでやっていたら、ケルン・コンサート終了時に既に持ち時間を五分以上オーバー。なので、バーレイコーン挽歌はやむなくカットした。

 ライブはとても気持ちの良い音響の中、ただただ、演奏す。後でスタッフに聞いたら、とても良い音だったらしい。多謝!。

 ケルン・コンサートの後半の手拍子や、港が見える丘の異常なうけようや、アンコールの手拍子等は都市でのライヴでは味わえない暖かさだった。

 広島でのアイデンティティの話にも共通するが、我々はただただ、良い歌と演奏を奉仕しただけなのだ。結果、生まれた音楽は、とても力に満ちあふれていたことと思う。そんな、ライブが出来たことは、とても嬉しいし、この場所とかかわって下さった人々の力なのだ。

 宿は地元の温泉旅館で、打ち上げもそこの宴会場。こんなに楽なことは無い。鯉も鴨も日本酒も旨い。中居さんの忠告を振り切り作った玄さんの雑炊がこれまた旨い。

 ここにきての温泉も嬉しい。入浴後、部屋呑み。全員に声をかけるも、残務処理後のM女史マネージャー、I女史が部屋に到着する頃には私一人撃沈する。

 どうやら、皆、テレビで偶然放映していた「あしたのジョー」に見入っていたらしい。

 それにしても、ここの温泉は助かった。疲れがとれ、十分眠った私は、翌朝の朝食にも間に合った。

23:22:00 | skri | No comments | TrackBacks