Archive for 06 March 2009

06 March

広島


 東京〜京都、京都〜高知と移動して来たので、高知〜広島なんて、楽なもんだ、と思っていたら、ここにきての4時間超の移動はそんなに楽ではない。

 昨年後半から広島には割と良く来ている。会場の横川シネマは昨年シカラムータで演奏した場所だが、その打ち上げで支配人のMさんと話をして、その直後に今回のブッキングをすることになった。

 横川駅が見えれば、横川シネマの場所はすぐにわかる。と同時に、この映画館の前の道はさほど広くなかったな。何てことを思い出した。案の定、機材車からの搬入の際、幾台もの車が来て、作業に手間取る。

 さて、今日のロンサムストリングスはバンジョー原さとし抜きの片肺飛行である。なので、当然ロンサムストリングスとしてのライヴは出来ないのだが、三人で演奏し易いレパートリーを楽屋でいろいろピックアップ。Remember、African Marketplaceはあっさり決まる。映画館ということで一度営業で演奏した「追憶のテーマ」も追加。もう一曲考えたあげく、やはり少し無理してでもアルバムBLOSSOMからバンジョーのパートをギターで補って、「南の噂」をやることに決めた。

 ちょっと苦労しながら、地元PAチームとスーパーローディー&パーカッションの忠司により、狭いながらも気持ちの良いステージ環境が出来上がる。

 今日はほぼ湯川潮音オンステージ。ロンサムストリングス・トリオで演奏した4曲は箸休めみたいなもので、彼女の声は日を増す事に伸びやかになる。

 原さんの不在を補うため、忠司のパーカッションもいつもより多め。この男の今回の活躍は凄い。「湯川潮音とロンサムストリングス」一座の座長はこの男である。

 打ち上げではうまい酒を静かに呑む。この場でも蓮根を調理したものが宅に並び、蓮根好きにはたまらない。

 昨日、参加した徳澤青弦も呉での本番を終え、合流。が、疲れも出たか、1時前にお開き。

 宿に戻るタクシーに同乗した潮音嬢はドアが閉まるや否や、「呑み足りなくないですか?」

 という訳で、宿に戻らず、忠司座長をさそい、三人で流川通りに向かう。店を探すのに一難儀遇ったが、カウンターのみの、雑然とした、それでいて落ち着く居酒屋に入る。

 潮音嬢は牡蠣を注文。彼女にとっては、広島に来たら食べなくてはならないものらしい。私は疲れを多少なりとも感じているので牡蠣のような強い食物は避けようと思ったが、二人があまりに勧めるので、ひとつつまむと、こりゃ美味!

 潮音嬢の顔色は酒を増す事に、生き生きとしてくるが、忠司座長と私はおそらくだんだん遠い目になって来たことであろう。そんなときの会話はこんな感じ。

 忠「なんすかね。アイデンティティて?」
 桜「お前、その話を俺にさせるのか?」
 潮「わぁ、聞きたい」
 桜「じゃあ、先に結論をいうと、アイデンティティなんてくそくらえだな」
 潮「ホント、そうですよ。くそくらえ。もう嫌になる」
 桜「おっ、潮音ちゃん、言い切るね」
 潮「そうですよ。そんな事、ロンサムを聴いていたら解ります」

 私は彼女の表現も歌も大好きだが、彼女のこの言葉にとても勇気づけられ、頼もしく思った。が、同時に結構酔いも回っていた。

 4時頃、店を出る。が、打ち上げ会場から直接、別の店にくり出した我々は宿がわからない。M女史マネージャーにも連絡とれず。思わず忠司座長が交番に駆け込む。

 忠「俺ら、どこ泊まっているんですかね」

 笑&酔。

23:59:00 | skri | No comments | TrackBacks