Archive for 09 January 2008

09 January

bruce springsteen


 なんだかここ数年、世間から正月らしさが薄らいできているように感じる。元日に家内の実家に帰ったのだが、思いのほか道も混んでいるし、三ヶ日に営業している店も多い。
 子供の頃から、特に正月が好きなわけではなかったが、近年のこの感じも妙に寂しい。

 なので、というわけではないが、ここ数日はかなりの夜更かしで、酒を飲んでいる。月曜日から仕事が始まった方も多いと思うが(かくいう私も月曜日からレッスンの仕事が始まった)、ここへ来て、昔の正月気分を懐かしんでいる感じも無いわけではない。

 先程、酒を飲みつつ何気なくテレビをつけたら、ブルース・スプリングスティーンのライブ映像。そんなに熱心に聴いた事はないが、案外知っている曲も多い。このライヴ映像はおそらく「BORN TO RUN」の頃であろうが、とにかくあまりの格好良さにしばし見とれる。

 「BORN TO RUN」というアルバムは実はほぼリアルタイムで聴いた。当時私は学校帰りに図書館により、とにかく片っ端から、気になったものを借りて聴いていた時期で、図書館でレコードが借りられるようになって間もなくの頃だった。名前も音も知らなかった。まさにジャケ借りと言えよう。だが、当時中学生の私は、音楽の趣向がサイモンとガーファンクルからボブ・ディラン、ザ・バンド、ライ・クーダー等に移っていた頃だったので、スプリングスティーンはロックっぽ過ぎた。

 その後、スプリングスティーンをよく耳にするのは、数年経って、大学に入り、バンド仲間が出来たころだった。当時関わっていたバンドではスプリングスティーンのカバーもやっていた。

 そして「BORN IN THE USA」。もちろん聴いたし、来日公演にも足を運んだ。「BORN TO RUN」の頃はその青春臭さが、今ひとつのめり込めない大きな理由だったが、その来日コンサートは青春臭さが無く、それはそれで、誠に手前勝手な理由だが、気に入らなかった。

 ところが、今日観た70年代後半の映像はなんと素晴らしい事か。もういい歳の大人になったので、臆面も無く言えるが、嗚呼、この青春臭さはそれだけで素晴らしい。

 で、さっき気がついたのだが、このライヴでのスプリングスティーンの歌い方はシャウトの仕方やタイミングなんかはもの凄くヴァン・モリソンに似ている。スティーヴ・ウィンウッドがレイ・チャールズ、スティーヴ・マリオットがメイヴィス・ステイプルズという憧れとはまた違った次元のやり方を感じた。よくよく、聴いてみればE STREET BANDのやり口もCAREDONIA SOUL ORCHESTRAの彼なりの解釈という気もする。

 何て事を思っていたら、ライヴは最後のロックンロールで〆。このパーティーっぽさが、妙にアメリカンな感じで微笑ましい。アメリカン・グラフィティという映画を想い出す。特に好きな映画ではないが、エンドロール直前のその後のエピソードがかなり残酷に思え、うだつの上がらないリチャード・ドレイファスと彼のおんぼろシトロエンがオーバーラップした。

 そのあと番組では「BORN IN THE USA」やその他80年代のビデオが流れたが、私の興味に触れるのはもっと大分経ってからの「GHOST OF TOM JORD」で、このアルバムは彼のアルバムでは最も好きなもの。変な言い方だが、スプリングスティーンに80年代が無かったら、現在かなり興味深い、と思うのだが、噂によると、新譜がかなり良いらしいので、聴いてみよう。

 で、ヴァン・モリソンの「It's too Late too stop now」でも聴いてみようかと思ったのだが、夜も明けそうなので明日にしよう。だが、YouTubeで検索したら、大好きなBulbsの観た事が無い映像があった。

 

06:41:28 | skri | No comments | TrackBacks