遊園地

　今日はカルメン・マキさん、浦安クラブ・イクスピアリ。

　御存知の方もいるだろうが、このライブハウス、ディズニーランドの敷地の一画にある。

　５月５日はこどもの日、さぞかし、この一帯は混雑しているであろうと思い、早めに家を出発するが、何処も彼処も、スムース。驚く程スムースで張り合いが無いくらい。ちんたらと煙草でも吸いながら、のんびり運転したかったのだが、首都高の流れはそれを許さない。葛西の出口ですら、ほぼノンブレーキ。結局、入り時間の一時間前に楽屋に入ったが、やはり覚悟していたマキさんとマネージャーS氏は既に到着していた。程なく、松永さんも到着。

　このあたりに来るのは随分久しぶりだ。

　小学生の頃、この対岸のちょいと北に住んでいた。JR小岩よりバスで30分くらいの場所だが、ときおりバスで20分くらいの浦安も利用していた。当時、浦安駅の周辺は本当に何も無く、夜は暗い中、タクシー待ちの行列だけが目に着く感じだった記憶が在る。家族で都心に出かけ、浦安経由での帰りの際、気の短い私の親父はタクシーの行列に並ぶのを避け、白タクで帰った事も少なく無かった。なんてことも少し思い出すが、このディズニーランド近辺にそんなやましさの欠片も見い出す事は出来ない。

　その後、この辺に来たのは、大分経ってから、一回きり。それも20数年前。
　まだ、車の免許をとって、若葉マークがはずせるか、はずせないかの頃、私は一台の車を譲り受けた。ホンダのLife360。当時は松戸に住んでいたのだが、はじめての自分の車、湾岸を走ってみようと思い、気持ちよくドライブ。車窓からオープンして間も無いディズニーランドが見える。折角なので寄ってみよう、と思い、遊園地へと車をまわす。道は快適。話題の割に空いているな、と思いつつ、入り口に辿り着くと、なんとその日は休園日。多分、相当少ないと思われる休園日だが、その日にぶちあたった訳だ。

　それ以来、ディズニーランドには来ていないし、もちろん遊園地の中に入った事も無い。
　なので、もしかしたら今日は中に入れないまでも、その片鱗くらいは、とも思っていたのだが、交通が本当にスムースで、はりぼて感ばかりが印象に残った。

　さて、ライブ。前回はバイオリンの太田さんが参加していたので、かなり、音の幅はあったのだが、今日は松永さんと二人なので、演奏はかなりタイトかつシンプル。久しぶりの曲で、ちょいとひやりとする場面もあったが、まあ、ライブならでは。おかげで来週のツアーはばっちりでしょう。

　マキさんはあまりMCをしないのだが、珍しく、この土地の想い出を語り出す。
20数年前、当時のボーイフレンドとオールナイトで映画を観た後、ここディズニーランドに来た事があったそうだ。
　他愛も無い話だが、この人が喋ると妙に恰好良かった。

横浜行

　今ゴールデンウィークはいつに無くライヴ週間。昨日こそ、休みだったものの、一昨日は、大塚で久しぶりにシカラムータ。

　大塚はいいね。街全体にゆっくり酒を飲む空気が漂っている。お目当ての居酒屋は連休中で暖簾は出ていなかったので、その近くの普通の居酒屋で憩う。この普通さが落ち着くのだな。
さて、ライヴはと言うと、今回のシカラムータはいつもより小編成で、メンバーは五人。まとまりには欠けるが（ってこのバンドにまとまりが必要かはさておき）風通しが良く、いつもよりダイナミズムがはっきりとして気持ちが良い。なにより、通常のライヴでは大熊さんの音が聞こえない事が非常に多いのだが、この編成ならかなりの音量の場面でも、クラリネットがよく聞こえる。やりやすい。個人的にはこの編成での再演を望みたいところだ。

　そして、今日は酒井俊さん、横浜ドルフィー。

　先に言ってしまうが、横浜はなんだか苦手なところなのだ。別に横浜に住んでいらっしゃる方や横浜という土地に苦い思い出があるわけではない。ただ、横浜に行くと、ほぼ八割方、道に迷うのだ。車で迷うならともかく、電車で行っても迷う。関内と桜木町どっちがどっちかわからなくなることは多々ある。そして、横浜帰りには終電を逃す事も何度かあった。

　断わっておくが、私は割と日本全国、知っている場所であれば、そう道には迷わないし、土地勘は働く方だと自負しているが、こと横浜に関してはそれが通用しないのだな。
　しかも、家から横浜方面の裏道はかなり知っている筈なのだが、市街地の情報は皆無なのだ。

　そんな経験が十数年つづくと、今日は横浜か、と思うだけで、実は少し気が重い。

　が、このところ、ほぼ毎月出演しているドルフィーなので、迷う事無く、そして、渋滞にも巻き込まれず、到着。

　はじめて演奏する曲が多かったが、ライヴは非常に楽しく、手ごたえを感じる。

　さて、連休最後は明日のカルメン・マキさん、浦安クラブ・イクスピアリ。さすがに渋滞覚悟だな。