Archive for 09 December 2004

09 December

篠田昌已 13回目の誕生日



 もう日付は今日12月9日だが、このようなコンサートが吉祥寺MANDA-LA2で催されます。

 

 私はSTRADAで出演。大熊ワタル+千野秀一は急遽A-MUSIKになりました。他にもチラシに書かれていない出演者が多数あるでしょう。よろしかったら足をお運び下さい。



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Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の五●



8. Some these days I'll be gone

 ここから表記上だけだが、B面。冒頭の三曲は私のパーソナルな面が強調されている部分であろう。
 Charley PattonのREVENANT七枚組は『ANTHOLOGY OF AMERICAN FOLK MUSIC』と並び、アメリカン・フォークロアの最重要作品。もちろんパットンの音楽は随分前から知ってはいたし、レコードも割と良く聞いた。しかし『ANTHOLOGY OF AMERICAN FOLK MUSIC』を知った後で出会ったこの七枚組は随分聞こえ方が違う。私は今までパットンの何を聴いていたのだ、と軽いショックを覚えた。端的に言えば、「デルタ・ブルーズ」という言葉に囚われすぎていて、その景色が今まで見えていなかったのだ。
 だから1stでの『ANTHOLOGY OF AMERICAN FOLK MUSIC』からのカバー同様、Charley Pattonをやる必要に駆られたし、カバーしたかった。が、選曲には悩んだ。代表曲とも言える「Pony Blues」や「High Water Everywhere」親しみやすい「Mississippi Bo Weavil Blues」等々、候補は幾つか上がるが、やはり料理しやすい宗教歌から選曲する事に落ち着く。が、それでも悩む。「Some Happy Day」「I Shall Not Be Moved」も勿論候補にあったが、いろいろなアイデアが一番湧いてきたのが、この「Some these〜」だった。(余談だが、栗コーダーカルテットに「Some Happy Day」の録音を薦めたのは私。あるライヴの後、関島、川口両氏が栗コーダーでブルースのオムニバスに参加する話をしていて、軽く相談された私は一も二も無くパットンを推薦。当時発売されたばかりのチャーリー・パットン特集の雑誌「ブルース&ソウル・レコーズ」の附録CDに「Some Happy Day」が収録されていた。素晴らしい宗教歌があるから、とりあえず聴いてみろ、と薦めた訳だ)
 実はこの曲、選曲が決定してから完成まで、相当の紆余曲折がある。まず、録音の難しさ。「Ground」同様、全員一発でベーシックを取りたかったので、ギターアンプもわざと音がかぶる様(他の人のマイクにその音が録音される)にしたのだが、小さなテスコのアンプでもドライヴさせる(少し歪ませる)と結構な音量でバランスがとれない。もちろん音量を下げれば良いのだが、ギターの歪み感は激減。結局、そのあたりはエフェクターで対処してベーシックは完了。と思ったが、聞き直しているうちに、致命的な採譜ミスに気づき、後日再び録音。ところが、このグルーブ感は曲者で楽しく気持ち良くやってるだけだと、すぐカントリーっぽく軽くなってしまう。予想以上にベーシックに時間がかかったが、その後、松永さんのバイオリン、玄さんのスティール・パン、私のオートハープやエレキギターのノイズをかぶせ、録音はひとまず終了。
 半年近くそのまま寝かされて、リリースの予定が出た頃、ミックスの計画を立てたのだが、スケジュール、予算の両面で土井君の全曲ミックスは不可能となる。そこで私が数曲受け持つ事になり、再びこの曲の作業開始。まずエンディング近くのノイズを大幅に整理して、短波ラジオのノイズを加え終了、と思いきや、ミックスをしているうちに欲もでる。再びノイズ関係を整理し、冒頭のバイオリンとギターだけの部分は採譜ミス時のテイクに差し換え(この部分は関係なかった)、この部分だけカセットテープに採録しテープにもすこし皺をよせてみるが、この案配がなかなか難しい。そして、エンディングにラップスティールのループを足してみる。仕上げに冒頭のSPノイズをかぶせるが、勿論音源はCharley Patton。
 もう、最後の方はミックスと録音と編集が同時進行状態のこの曲はロンサム・ストリングスにおける私の初ミックス作品。
 もちろん、いずれライヴではやるつもりだが、ライヴ用のアレンジが完成されないまま現在に至っている。


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