Archive for 23 October 2004

23 October

EL TANGO VIVO



 譜面や音資料というのは、いつの間にか増えている。気が付くと作業机の隣は、クリアファイルに挟まった譜面が積み重なっている。また来週使うものだから、とついつい所定の場所に収めない。そして、それらのクリアファイルの間に違う仕事の音資料のCD-Rやサインしなければならないのに忘れていた契約書が挟まっていたり、とやはり整理整頓は大事。なので、昼より譜面整理。どんなのものの整理でもそうだが、懐かしいものが出てくると、やはり手が止まる。もう確実に使わないと思われるものは捨てるが、10年間使って無いもので捨てられないものもある。そういうものが出てくると、ときどきギターを手に取り弾いてみるのだが、10年前は弾いていたのに、今はなんだか弾きづらいものも少なく無い。結局、譜面整理はそこそこにギターを練習、そしてトレーニング。左手の人さし指が半年程、調子悪い。まれに私も見てもらうが、ノブさん(小松亮太君掛かり付けの針灸師)によれば、楽器を弾く人はスポーツ選手並みのケアが必要との事。とにかく身体に無理なバランスで楽器を弾いているのだ。それに若い訳では無い。


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Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の二●



3. Jessica

 ピアソラの曲がどういうわけか「made in U.S.A.」というタイトル(このタイトルもこの曲をとりあげた一つの動機)なので、ならば次の曲はこれしかなかった。バラカンさんのインタビューでもこの曲の話になったのだが、私にとってはALLMAN BROS.の代表曲の一つというよりも70年代後半のアメリカのジングルみたいなもので(でも、ALLMANのライブ盤『熱風』のJessicaは大好きだ。チャック・リーベル最高)当時、FENで本当にジングル代わりに良くかかっていた。ALLMANとかC.C.R.等々、本当にシンプルに無垢にロックンロールを楽しむというアメリカ人がある意味うらやましく、少しはそんなものにもあやかってみたい気持ちも無いわけではないのだ。ああ、こう書くと非常に微妙だが、聴いていただければわかるだろう。
 この曲の録音中、土井君は大喜びで「ディッキー・ベッツに聞かせたいなぁ」なんて言っていたが、私としては、ベッツさんに聴いてもらって、一発殴られて、バーボンでも奢ってくれたら本望である。
 そして、軽々とこの曲の爽やかな部分を演出したのが、原さんのプレイだ。



4. 沼 -swamp-

 私のオリジナル曲だが、初出では無く、STRADA『TEXAS UNDERGROUND』で既に発表済みの楽曲で'96年頃に10数分で一筆書きの様に作ったものだ。STRADA版はNEIL YOUNG「HARVEST」を思い起こさせなくも無いシンプルな8ビートだが、此処では大幅にリズムアレンジして、キーも弦楽器用にGにしてある。(もともと作曲時はGだったのだが、STRADAで演奏する際に管楽器用にB♭にしたのだ)
 前半のスローパートは私と玄さんと松永さんの3人で演奏。かなり遅くて焦れったく感じる方もいるかも知れないが、そこは狙い目。そして、我々は遅いテンポが性にあっているのか、特に苦もなく数テイクでOK。そしてこの後のアップテンポ・パートから全員の演奏になるが、ここからは少し丁寧にテイクを繰り返した。最初から決めていた事は、この曲の録音の際は絶対、打楽器類を入れないという事だ。そして、ノーダビングでも気持ち良く成り立つベーシック・テイクを吟味した上で最小限のダビングをした。原さんのナイロン弦バンジョーと私の六弦テナーウクレレと最後の少しエレキギターだ。このダビングの意味は少しのペンギン・カフェ感。ただ、グルーブ感は違う次元のものにしたかった。此処に来る道のりとしては1stの「african marketplace」それから、打楽器を微かに入れた(原さんのバンジョー・ドラムと松永さんのベースを叩く音だが)オムニバスの「Here comes the sun」そしてこの「沼」に辿り着く。さらに、この手法は此の直後、よりカラフルなやり方でパーカッションも使い、ダビングも多めで、遊びもたっぷりのLonesome Strings featuring 朝日美穂「LONESOME COWBOY」につながっていく。
 玄さん(田村玄一)のメロディは果てしなく気持ち良いが、全てを支えるMAIN MAN松永さんのプレイはさすがの一言である。


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