Archive for 20 October 2004

20 October

シカラムータ結成10周年記念2days


 RED SOX勝ったね。また明日も楽しめる。

 それから、ロンサム・ストリングスの2ndアルバムのテキスト、遅ればせながら、こちらに随時アップする事にしました。

 昨日さんざんリハーサルをしたシカラムータの結成10周年記念2daysライヴは11/13,14。




[Read more of this post]
23:58:00 | skri | No comments | TrackBacks

Lonesome Strings -vol.2- new lost city ramblers ●text 其の一●



1. Ground

 このアルバムの中では、ほぼ最初の頃('02 5月)の録音で、全員が生楽器でベーシック、至近距離で演奏した。エンジニアの土井君もまだ少し手探り状態だったが、あまり演奏する事無くこのテイクが録れてしまった。ちょっと強引なタッチと椅子が軋む音が入っているのが決め手。だが実はこのテイク、全員の演奏直後、スタジオ外の路上でトラックがバックして、警告音(ピーピーピー)が録音されてしまった。だいたいの意図しないノイズには寛容なのだが、これはかなり気になり、口苦い思い。清清しいテイクだっただけに、メンバー全員実に残念がり、その後2テイク程演奏してみたが、どういうわけかもはや椅子の軋み音は鳴らず、演奏も悪くはないがレイドバック感増す。なので、とりあえずこの警告音入りをOKテイクにして、アルバム全体像の中で再考する事にした。後半に少しだけエレキギターを重ね、その状態で翌年まで寝かせてあった。アルバムの曲もほぼ出揃った頃、「made in U.S.A.」とつなげる事を思い付き、曲エンディングにSEをいろいろ重ねる作業をする。当初、かなりの数のSEが入っていた。列挙すると、虫の音、街のノイズ、ディーゼル音、電線ノイズ、等々。だが、どれもトラックの警笛音を目立たなくさせる為のものでしかなく、音楽的な久下惠生さんのシンバルのみにすると俄然見え始めた。曲タイトルはJohn Faheyに捧げる意味でRED CROSSという仮タイトルが付いていたが、タイトルをもう発表する事のない自作を流用し、聴いた人なら絶対わかるであろうJohn Fahey『VOL.6 DAYS HAVE GONE BY』より汽笛の音をサンプリングした。ただ、それで完成と言うにはまだ道のりがすこしあり、ある事情によりこの曲のみ土井君と私の二つのミックスバージョンがあるのだが、やはり空気感が濃密でかつナチュラルな土井君のMIXを採用。そして、高橋健太郎さんの力を借りやっと完成した次第。録音自体はすぐに終わったのだが、その後の紆余曲折がかなりあった曲である。



2. made in U.S.A.

 Astor Piazzollaの彼自身も他の誰も録音しておらず、楽譜だけが残っている1960年の曲。この曲を教えてくれたのはもちろん小松亮太君で、彼が偶然本郷の楽譜店で譜面を発見し、2002年の小松亮太プロデュース「ピアソラ別伝」でも演奏された。おそらくその時が世界初演だと思うが、編成はbn,eg,eb,dsでピアノ譜をegにアダプトしたくらいで割と楽譜に忠実に演奏。とはいえこの曲、もともとなんか変なラテン味があり、そのあたりが妙にそそられるのだ。その後、とあるラテン系のコンピレーションの話があり、この曲を考えていて小松君に相談したのだが、すぐに企画は流れた。そして翌年、このアルバムの録音の最終盤に急遽、スティール・ギターの音色にピンと来て録音。全編に聴こえるふざけたドラムスは私がバスドラムやタムを一つ一つ別々に録ったもので、ふくだげん君にサビ部のエイトビートを重ねてもらった。ただ、私が既にバスドラムを録音してしまったので、彼は上半身だけでロックしなければならず、少し苦労をかけたが、快くつきあってくれた。感謝!
 そして、2004年の小松亮太君の力作『タンゴローグ』では再びアレンジを施し、ロンサムストリングス3/4(アレンジ上の問題で原さんは不参加となってしまった)がサポートの中心となり収録された。こちらは素晴らしいバンドネオンでこの曲をどんよりとリメイク。合わせて聴いていただいても楽しめるはずだ。


22:21:51 | skri | 1 comment | TrackBacks