Archive for June 2004

24 June

シカラムータ 台湾 1


 プチ・シカラムータ、フェスティバル出演の為、台湾行き。だが他のメンバーは既に台湾入りして(もっと小編成でライヴもやったらしい)いるので一人で向かう事になる。CHINA AIRLINESのE-TICKETシステムは思いの他スムースで楽々チェックインと思いきや、ソフトケースのギターは機内持ち込み不可との事。さんざん粘るもしまいには後の便でもう一席確保しろ、と言われ、十分な梱包を条件に預ける事にした。すかさず係員がエアキャップ(梱包用のプチプチ)の束を持って来た。それをとにかく何重にもギター入りソフトケースに巻き付ける。念には念をいれて七重くらいにし、外からテープで梱包、取扱注意のシールも10枚以上はってもらった。この件はとりあえず一安心、普通のハードケースよりむしろ良いかも知れない。
 食事をしつつ、ビールを飲んだりしているうちに飛行機は台北着。降りる時に気が着いたのだが、ソフトケースのギターを持っている人が機内にいるじゃないか。強引さが足りなかったか。
 台北は四年程に小松亮太君のバンドで来ているので、空港にも見覚えがある。どうやら無事であろうギターを受け取り、少し手間取るが主催者側のVANYAさんと合流。が、ここからが長かった。大熊さんによれば空港から車で嘉義へ、と言う話だったが、VANYAさんが言うには駅まで送るので、列車で行ってくれ、との事。TRAIN?ときょとんとしていると、ごめんなさい、と言う。しかも、もうすぐ着くハンガリー人のヴァイオリニストと一緒に行ってくれ、という事だ。まあ少し時間がかかるが、昔の風情を残した台湾の鉄道もまた一興、と思ったが、ハンガリー人の乗った飛行機が遅れている事が分かる。蒋介石国際空港の第2ターミナルの小綺麗な喫茶店で時間を潰す訳だが、そこでかつて仕事で大阪に滞在していた運転手のJさんと片言の日本語と英語で日本の車についての話をする。1時間くらい経った頃ようやくハンガリー人のヴァイオリニスト、ゾルタン氏登場。日本人同志ではありえないような明るい挨拶を交わすと、VANYAさんは我々が迷子にならないよう一枚のメモを手渡した。中国語と英語が書いてある、要するに列車の中で下車駅がわからなかったら、また下車駅で手筈通りのタクシー運転手が見つからなかった場合に備えて、だ。駅まで向かう車中、VANYAさんとゾルタン氏はやたらに明るい。彼等の会話が半分分かったか分からないかくらいで、そしてかるく渋滞に巻き込まれながら桃園駅に到着。暑い。台北から少しだけ南の駅で、駅周辺は台北に比べると華やかさは無いが、アジアらしい活気がある。自強と呼ばれる(日本で言うと特急)列車で嘉義にむかうわけだが、所要時間は3時間半弱、しかも発車まで小1時間ある。駅前のコンビニエンスストアでビールとおにぎりを買う。駅前の活気に比べ乗車ホームはうす暗いが、列車を待つ人間は少なく無い。20:30ころようやく自強に乗り込む。思っていたより明るい車内で割と快適だが、冷房が強いか。ゾルタン氏とビールを酌み交わし、音楽の話やらブタペストの話をするが、ただでさえ英語はダメなのに酔いと疲れでほとんど言葉が出なくなり眠ってしまった。が強い冷房の所為で割とすぐ目が覚める。煙草を吸いに席を立つが車内全面禁煙。それでもうとうとしたり、車窓を眺めたりするが、思いの他停車駅も多く、乗降客も入れ代わりが激しいのであまり落ち着かない。22:00を過ぎると停車駅の外も大分閑散と見え、車内も落ち着いてきた、が3時間半弱はやはり長い。随分遠いところまで連れて行かれるような気になる。ようやく停車駅もゆびおり数えられるくらいまで来た。漢字だとわかりやすいので、その辺は認識しやすい。ゾルタン氏はあといくつだ、と聞いてくる。24:00前ようやく自強は嘉義に到着。割と大きな駅だが、古い建物そのままでエスカレーターもない。待ち合わせ側の出口に降り立った我々はやっと着いたという思いでなんだかへとへとになっていた。微妙にライトアップされた駅舎は結構荘厳で、その前で楽器を抱えたまま少し途方に暮れている様子のハンガリー人と日本人がいる図は後で思えば、割と面白い。が、主催者側お抱えのタクシー運転手Mr.Keが我々を見つけるのにそう時間はかからなかった。
 タクシーで宿まで行く途中、北回帰線の記念塔を見かける。ゾルタン氏が、何だ、と聞いてくる。が、北回帰線を日本語でも説明出来ないのだ。赤道がどうたらとか(だいたい赤道を英語で何と言うのか)ヘンリーミラーがどうたら、でお茶を濁す。(濁してもいないな)ゾルタン氏が一言 I KNOW。それはともかく、宿までの道すがら結構良い感じの屋台を見かけるが、車はかなりのスピードでどんどん走る。宿から一番近い屋台に目星をつけようとするが、歩いて行くのがまず無理な位遠い所に我々の宿があった。
 ようやく部屋に落ち付き、大熊さんと川口隊長を訪ねると、マッサージの最中だった。一気に日常に戻り、もらったビールを飲んで寝た。

23:30:00 | skri | No comments | TrackBacks