Archive for November 2003

29 November

取材 3


 「ピーターバラカン音楽紀行」ロンサム・ストリングス取材、三日目。

 雨の中、朝9:00に吉祥寺に集合。場所は公園近くのあの焼き鳥屋だ。もちろん営業時間では無いが、雨の日の朝、この焼き鳥屋の匂いは良いものでは無い。が5分程で慣れる。ここでも演奏は一曲。ライヴではなんどもやっている曲なのだが、演奏時間を三分に収めるのはなかなかむずかしい。それでも雨がトタン屋根に降りつける音と相まって、良い感じになった。11:00過ぎに終了し、そのまま其処で昼食。そして今度はMANDA-LA2へ。夕方までの時間帯を提供してくれたのだ。今度はおなじみの曲をやる。基本的にOKテイクは、ベーシックテイク(音と映像ベーシック)と映像オプションテイクと2テイクあるのだが、ベーシックテイクOKの後の映像オプションテイクがとても面白い演奏になった。が、あくまで映像オプションで録音さしかえは無理との事。バラカン氏も残念がっていて、今度ウイークエンドサンシャインで流します、と言ってくれた。演奏終了ののち、今度はロンサム・ストリングスとバラカン氏の対談。雑談が進む中、ここでもバラカン氏VSディレクターT氏の構図が見えかくれするが、やむなくタイムリミット。T氏が望むような応対が出来なかったのは仕方が無い。我々はこういうバンドなのだ。ただ、それを旨く言える技量があれば良かっただけの事だ。

 どこの現場でもそうだったのだが、撤収時スタッフと一緒にケーブルを片付けるピーター・バラカンさんの姿が印象的だった。

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27 November

取材 2


 「ピーターバラカン音楽紀行」ロンサム・ストリングス取材、二日目。

 今日の内容は野外演奏一曲とバラカン氏と私の対談だ。朝9:00にスタッフ総勢15名ほど到着し、先日の取材時のロケハンで決定した自宅より歩いて三分程の雑木林の中でセッティングを開始。9:30過ぎメンバーが集まりはじめる。四人での演奏は久しぶりだし、ライヴでもやった事が無い曲、しかもCDサイズを少しカットしなければならず、全員揃い次第リハーサルを始める。ほどなくバラカン氏到着。久しぶりにお会いしたが、ばたばたしている中、スマートにあらわれた感じはやはり英国人か。リハーサルもそこそこにセッティング待ちで皆で茶を飲んでいると、「おっ、あの辺はタジ・マハールだね」とバラカン氏。遠目から私のレコード棚の背表紙を見ているのだ。いろいろ聴いていると好きな音楽なんてまあまあ似通ってくる、なんて皆で喋っていると、セッティング完了の知らせ。

 当初、野外演奏はこの時期寒いので御勘弁を、とT氏に言ってあったのだが先日の取材時のロケハンで熱意に押され了承、しかしやはり寒い。どうやら11月一番の寒さらしい。数回テストを重ね、マイクセッティングも再調整したりと結構時間がかかる。案の定、手がかじかみはじめたが、なんとか乗り切る。いくつかテイクを聴いたがどれもそう遠くはない場所で犬が吠えている。良い感じだ。そして13:00前に終了。その後、メンバ−、スタッフ全員で多摩湖近くで中華料理をつついた。

 午後はまずバラカン氏と散歩しながらの雑談。何故散歩かというと、番組としては地域性というものも折り込みたいらしいのだ。ただ、ここ東村山市は私にとっては住んでいるだけでエピソードは無い。が、とりあえずどんなところなのか、紹介するとの事。私の家に近くはちょっとした丘陵地帯だが、都内近郊のとりたてて特長のない住宅地だ。それでもロケーションがいい丘の上は左手に多摩湖、正面に西武園、右手に八国山と見晴しがよくまあまあ気持ちが良いが、私達はRY COODERやALLMAN BROTHERSの話をしていた。家が近いだけだが、故・武満徹や吉永小百合の話のほうがよかったか? 20分くらいで家に戻り、今度は自宅作業場での対談。最初は音楽を始めた時の事やロンサム・ストリングス結成のいきさつ、等ありきたりな話だったが、バラカン氏も物足りなくなってきたのか、MUSIC FROM BIG PINKやINTO THE PURPLE VALLEYを初めて耳にした時の話、CHARLEY PATTONをどう聴くか、Mountain MusicからBluegrassそして映画Songcatcher、ロンサムストリングスのレコーディング方法とMule Variationsとhoundog、マヒナスターズについて、等々。こうなってくると話はもりあがるし尽きないが、T氏より「その内容だとウイークエンドサンシャインになってしまいます」と、カットの声が入る。バラカン氏VSディレクターT氏の間で私も努力するが、果たしてうまくまとまったか? 
 夕方、陽が落ちる頃終了したが、スタッフは松永さんの個人取材の為、渋谷7th Floorでの"くじら"のライヴに向かった。

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25 November

取材 1


 年末のNHK-BS2での特別番組「ピーターバラカン音楽紀行」の為のロンサム・ストリングスの取材、一日目。
 ロンサム・ストリングスのリ−ダーという事もあり、私の個人取材。そして2ndアルバムの録音現場の一つでもある自宅の作業場での撮影。あまり広く無い部屋にディレクターT氏、照明さん、カメラさん、音声さんの4人が入ると、機材含め結構窮屈だが、モニターを覗くととても広く見える。
 ディレクターT氏からは要望は普段の作業の様子、ということだが、あいにくコンピューターで行う作業や録音など進行中のものは無い。今一番やらなければならないのは、ソロライヴ(ストラーダイベント)用の新曲のアレンジ及び譜面書きだ。一曲ぐらい新曲をやりたいと思って用意したのがジョニ・ミッチェル「Cherokee Louise」。ときどき『Travelogue』を聴きながら譜面を書いてゆくが、落ち着かないし、あまりはかどらず。しばらくそんな感じで撮影は進むが、あまりの動きの無さか、T氏よりの質問。ロンサム・ストリングスを知らないであろう視聴者の為に結成のきっかけや動機等、プロフィールに書いてある事等喋る。そしてまた質問。「この四人だからこそ出来ることとは?」 思わず "そんなものはありません" と答えそうになり言葉を飲む。誰も玄さんのように弾く事はできないし、原さんのような音色はだせない。松永さんのグルーブもしかり。ただそれは当たり前で、むしろそんな四人で誰でも出来る音楽をただやりたいのだ。しかし私にはそれを的確に伝える話術はなく、「まだこれからですね」と無難に答えておいた。

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20 November

リハーサル


 魚鱗館リハーサル。
 人形を使ったパフォーマンス(いままで音楽は録音物を使っていたらしいのだが、今回は生で、中尾、関島、桜井のトリオ編成)、といった言い方が適切かどうかわからないが、演ずるにはある程度のスペースが必要な為、杉並・善福寺ちかくの児童館を使わせてもらう。この辺りは閑静な住宅地でこの児童館のとなりには児童公園があるのだが、雨も降っているしやけに寂しい。晩秋の夕暮れ時、灰皿のないこの公園で、猫に話しかけたりした。(笑)

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12 November

11/11 上田遥『RED』 函館市民会館 ゲネプロ


 上田遥(ダンサー、振付師)『RED』北海道ツアー。
 ダンスのツアーは体力的な事やステージの仕込み等を考慮し、移動日やOFF日が通常のコンサートツアーより多く設けられている。今回も六日間で四公演。ということはまあ飲み歩くということだ。
 ステ−ジ内容を簡単に説明すると、川井郁子さん、小松亮太&タンギスツがそれぞれほぼ交互に演奏、その一曲ごとにダンサーが変わる(ソロ、デュオ、3〜6人の編成)という構成だ。基本的に川井さんはカラオケを使用するが、数曲タンギスツに合流したりする。タンギスツの演奏曲は通常のコンサートで演奏するものはあまり多く無く、しかも難曲も揃い。そしてのってきたなと思うと、ステージ脇にはけたり、と気持ちの切り替えが少しいつもと勝手が違う。が演奏曲目は通常の半分くらいなので、まあわりと楽でもある。
 函館は前日の入りだったので、リハーサルをすませ、宿に戻り、バンドメンバーで軽く食事といって近くの寿司屋に入る。やはりイカが旨い。が、焼き物は少なく、寿司で腹ごしらえし、酒はそこそこに私は一人で繁華街にくり出した。泊は湯の川温泉なので函館駅周辺よりは五稜郭交差点の方が近い。とりあえず30分程歩き、五稜郭近辺の居酒屋を探すがピンと来る店が無い。こういう時は無駄金を使うので深追いは禁物。結局、交差点近くのジャズ・ブルーズ・バー(パットンボックス有り)でウヰスキーを2杯のみ、太田和彦氏のエッセイにも登場する「りつ」で塩らーめんを食らう。普通の町の中華屋風情がうれしい。カウンターでビールを飲んでいると、3〜4席離れたとなりの50代前半のあきらかに水商売風女性がちらちらこちらを見る。彼女の連れはあきらかに同業者の60代の女性とその常連であろう60代男性だ。一言話しかけられたが、良いタイミングで塩ラーメンが運ばれた。かなり笑ってしまうような歌詞の演歌がちょっと大きめに店内に流れていた。私がラーメンを食べ終わる頃、その50代女性の遠い眼でその歌詞を口ずさむ横顔が眼に入った。(化粧臭付き)

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